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【ネタバレ注意】映画シン・ウルトラマン感想(1)ウルトラ初期の歴史と禍特対

こんにちは。岩松妙香(@annon_0211)です。

2022年5月13日に公開された映画「シン・ウルトラマン」を、

ユナイテッドシネマ前橋で観てきました。

私はウルトラシリーズが始まった1966年に生まれたので、

物心ついた時からウルトラマンが大好きです。

最初に観たウルトラシリーズは初代ウルトラマンなんですよ。

(※シン・ウルトラマンと区別するために初代と呼びます)

いままで映画の感想を書いたことがなかったんですが、

「シン・ウルトラマン」には本当に感動したので、記事を書きました。

非常に内容の濃い作品なので、2回に分けてレビューします。

目次

シン・ウルトラマンのあらすじ(前編)

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

日本に巨大不明生物が出現し、人々の日常が脅かされていた。
恐るべき力を持つそれは「禍威獣(かいじゅう)」と名付けられた。
事態を重く見た防災庁は、禍威獣対策のための組織を立ち上げる。
5名の有能な人材からなる「禍特対(カトクタイ)」だった。
敵性大型生物第7号のネロンガが、官房長官の選挙区で暴れた。
ネロンガは電気を主食にする厄介な敵だった。
「禍特対」の神永新二は、ネロンガに襲われた町の様子を見ていたが、
逃げ遅れた子供を助けようとして殉職してしまう。
しかし神永は、大気圏外から地球にやってきた「光の巨人」と融合する。

おもな登場人物(敬称略)

禍威獣特設対策室(通称:禍特対)

神永新二(斎藤工) 作戦立案担当官。ウルトラマンに変身する。

浅見弘子(長澤まさみ) 分析官。神永のバディだが単独行動に振り回される。

滝明久(有岡大貴) 非粒子物理学者。特撮作品の模型が好き。

船縁由美(早見あかり) 汎用生物学者。ストレスが溜まるとお菓子を食べる。

田村君男(西島秀俊) 班長。机の上にKATO太くんを置いている。

宗像龍彦(田中哲司) 室長。政府や外星人との交渉に当たる。

政府関係者

大隈泰司(嶋田久作) 総理大臣。禍威獣や外星人の出現に頭を悩ませる。

小室防災大臣(岩松了) 大隈内閣の閣僚。人物眼に長けた政治家。

官房長官(堀内正美) ネロンガに選挙区を荒らされてしまう。

加賀美(和田聰宏) 神永の元同僚。警視庁警備局公安課に所属。

巨大人型生物ウルトラマン(仮)

#ATAC で複製絵画を受注制作販売中の、成田亨さんの「真実と正義と美の化身」は、映画『#シンウルトラマン』のウルトラマンのデザインコンセプトの原点となりました。

成田亨さんのご子息、浬さんのインタビューが、Pen Onlineにて本日より公開です。ぜひご覧ください。https://t.co/lxuiFQ6BkB

— ATAC:アニメ特撮アーカイブ機構 (@Info_ATAC) 2022年6月16日

時速1万2000キロのスピードで地球にやってきた外星人です。

身長60メートル、重さ2900トンの巨人です。

子供を助けようとしていた神永を死なせてしまいますが、

人間の行動に興味を抱いて彼と融合しました。

神永はベータ―カプセルを使ってウルトラマンに変身します。

ウルトラマンの全身は銀色でしたが、

神永と融合してから赤いラインが身体に現れました。

禍威獣と戦って消耗すると赤から緑に変わります。

登場禍威獣

映画『#シンウルトラマン#大ヒット上映中#禍威獣 らしき不明物体は
未だ進行中。#斎藤工 #有岡大貴 #早見あかり #西島秀俊 #禍特対 pic.twitter.com/3qbMq5W0Oy

— 映画『シン・ウルトラマン』公式アカウント (@shin_ultraman) 2022年5月29日

「シン・ウルトラマン」の冒頭では、
ウルトラQに登場した6体の禍威獣が紹介されたぞ。

ゴメス

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

道路工事の現場に出現して、作業員たちをパニックに陥れました。
ウルトラQ1話では原始怪鳥リトラが倒していますが、
「シン・ウルトラマン」では自衛隊が駆除しています。

マンモスフラワー

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

東京の地下に根を張っていた古代植物が、
ビジネス街の丸の内で開花してしまいました。
ウルトラQ4話では炭酸ガス固定剤によって倒されています。

ぺギラ

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

南極に住んでいましたが、
温暖化による環境悪化で北極に移動しようとします。
その途中、東京を氷漬けにしてしまいました。
ウルトラQ14話では苔から作られた薬で撃退されました。

ラルゲユウス

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

氷河期以前の地球に存在した巨鳥です。
昼間は小鳥の姿をしていますが、夜になると本性を現します。
ウルトラQ12話では真鶴港に出現しました。

カイゲル

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

巨大なナメクジと貝殻が合体したような外見です。
眼から溶解液を流し、
尻尾をドリルのように回転させて地中を進みます。
ウルトラQ24話では貝獣ゴーガと呼ばれていました。

パゴス

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

ウランなどの放射性物質が好物です。
口から吐く分子破壊光線は金色の虹に見えます。
ウルトラQ18話では、
糸魚川博士のネオニュートロンミサイルで粉砕されました。

ネロンガ

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

敵性大型生物第7号です。
普段は透明ですが、電気を捕食すると姿を現わします。
光の巨人のスペシウム133を受けて敗北しました。
元祖怪獣は初代ウルトラマン3話に登場しています。

ガボラ

出典:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

敵性大型生物第8号です。
パゴスと同類にあたるため、放射性物質を好みます。
光の巨人は周辺地域への被害を避けるため、
ガボラを宇宙に持ち去りました。
元祖怪獣は初代ウルトラマン9話に登場しています。

シン・ウルトラマンの感想(1)邂逅~禍威獣との戦い

映画『#シンウルトラマン#大ヒット上映中

巨人の行動には#禍威獣 とは違う
知性を感じた。

ーー田村君男#西島秀俊 pic.twitter.com/WbSodPuIFR

— 映画『シン・ウルトラマン』公式アカウント (@shin_ultraman) 2022年5月31日

ウルトラシリーズの成り立ちがわかる内容

リブート作品には賛否両論ありますが、

私は制作者のウルトラ愛を強く感じました。

何故なら冒頭にウルトラQを持ってきたからです。

ウルトラQのことを知らない方が多いと思うので、

「シン・ウルトラマン」の感想を書く前に、

ウルトラシリーズの歴史についてカンタンにおさらいしておきますね。

ウルトラシリーズは「Q」から始まった

ウルトラシリーズは、

初代ウルトラマンが第1作だと勘違いされるんですが、

最初の作品はウルトラQでした。

1966(昭和41)年の1月2日から7月3日まで、

27話が放送されたんですよ。

最終回(28話)の「あけてくれ!」は諸般の事情で、

翌年の12月14日に放送されました。

ウルトラQの世界には防衛チームがなかったんだ。
星川航空のパイロットである万城目淳とその友人たちが、
一の谷博士と協力して怪事件に立ち向かって行った。
彼らの勇気には感動したぞ。

私も万城目たちの活躍はすごいと思ったよ。

でも、民間人だけで怪事件を解決するのは無理だった。

手ごわい怪獣や宇宙人が多かったからね。
未解決に近い事件もあった。

そこでウルトラQの世界観を受け継ぎながら、

変身ヒーローと防衛チームが登場する初代ウルトラマンが制作されます。

初代ウルトラマンは1966年の7月17日から、

翌年の4月9日まで全39話が放送され、

ウルトラQを上回る大ヒット作品となりました。

リブート作品「シン・ウルトラマン」は原典に忠実

私が小学生の頃には、

「ウルトラマンA」や「ウルトラマンタロウ」が放送されていました。

それでも初代ウルトラマンの人気は衰えず、

何回も再放送があったんですよ。

ウルトラマンが国民的ヒーローになったのは、
勧善懲悪をベースにした物語が受けたのと、
お茶の間への露出度が高かったからだな。

時代がヒーローを必要としていたんだよね。

制作に携わった庵野秀明さんと樋口真嗣さんも、

初代ウルトラマンに多大な影響を受けた人たちでした。

だから「シン・ウルトラマン」は、

リブートとして良くできているんですよ。

しかし科特隊(科学特捜隊)の呼称が「禍特対」に変わり、

国際組織ではなく政府の出先機関になったため、

ジェットビートルが登場しませんでした。

怪獣も「禍威獣」という表記ですし、

有名なゴモラやレッドキングではく、

ネロンガとガボラが暴れまわりました。

ウルトラシリーズに詳しいオールドファンは、

「なんで?」と思った人も多かったでしょう。

初代ウルトラマンと「シン・ウルトラマン」は別世界である

私は令和という時代に合わせて作られた映画だと思ったので、

「シン・ウルトラマン」の設定に違和感はなかったです。

ガボラとの戦いで「禍特対」や自衛隊の面々が、

しっかり防護服を着ていたのも好印象でした。

初代ウルトラマンが放送された当時は、

現代とまったくコンプラが違います。

大規模な原子力事故がなかったので、

防護服を着るという発想がなかったんですよ。

レッドキングやゴモラが「禍威獣」に選ばれなかったのは、

政治ドラマを絡めたシリアスな作品だからでしょうね。

ネロンガとガボラは電気インフラを襲う禍威獣なので、

この作品にピッタリだと思いました。

劇中にマルチバースという言葉が出てきますが、

これは多元宇宙のことです。

初代ウルトラマンと「シン・ウルトラマン」の世界観は似ていますが、

まったく別のともの考えたほうがいいでしょう。

禍特対の人物モデルを考えてみた

初代ウルトラマンの防衛チームは科学特捜隊です。

通称を科特隊(カトクタイ)といいます。

メンバーは以下の5人です。

  • ムラマツ・トシオ キャップ(隊長)。リーダーシップ抜群で人望も厚い。
  • ハヤタ・シン 事実上の副隊長。ウルトラマンに変身する。
  • アラシ・ダイスケ 射撃の名手で熱血漢。スパイダーショットを使う。
  • イデ・ミツヒロ 天才科学者。ひょうきんなムードメーカー。
  • フジ・アキコ 主に通信を担当。明るくて行動的。

また科特隊に憧れて、時々本部に出入りするホシノ・イサム少年や、

作戦立案やロケット開発などを手掛ける岩本博士も仲間です。

「シン・ウルトラマン」では禍特対に変わりましたが、

メインメンバーの人数構成は同じになっています。

役割的にはこんな感じでしょうか。

  • 田村君男(班長) ムラマツ・トシオ
  • 神永新二(作戦立案担当官) ハヤタ・シン
  • 浅見弘子(分析官) フジ・アキコ、アラシ・ダイスケ、ホシノ・イサム
  • 船縁由美(汎用生物学者) イデ・ミツヒロ
  • 滝明久(非粒子物理学者) 岩本博士

初代ウルトラマンのムラマツは、

よく科特隊本部でタバコを吸っていました。

田村に喫煙シーンがあったのはそのためです。

神永は言うまでもありません。

浅見は基本的にフジなんですが、

豪快な性格はアラシみたいですし、

ザラブに拉致された神永を救うシーンを観て、

ホシノのポジションも兼ねていると思いました。

船縁はひょうきんなところがありますし、

意外とストレスに弱いところがイデに似ています。

滝はラスボスを倒すために尽力したので、

岩本博士がモデルではないでしょうか。

数式を用いて法則を導き出し、

粒子単位で様々な仮説を立てていくのが、

滝が専攻している非粒子物理学です。

その得意分野を生かした禍特対でのポジションは、

禍威獣に対してどうやったら有効な攻撃ができるのかを提示する、

ブレーン的な存在と捉えています。

引用元:TSUBURAYA IMAGINATION

『シン・ウルトラマン』スタッフ・キャストインタビューより

”カトクタイのブレーン”

初代ウルトラマンの岩本博士はそう呼ばれていたんですが、

滝も同じ役割だと思います。

ウルトラに関心がない人も魅了される映画

ウチの娘は米津玄師さんの「М八七」が聴きたくて、

私と一緒に「シン・ウルトラマン」を観に行ったんですが、

ウルトラの世界観にすっかり魅了されてしまいました。

かつての彼女は私がウルトラの話をするたび、

素っ気ないリアクションだったんですが、

「シン・ウルトラマン」を観てからは、

ウルトラQのことや初代ウルトラマンのことを聞いてきます。

彼女は神永新二の大ファンになったんですよ。

「シン・ウルトラマン」は、

いい意味で初期シリーズのダイジェスト版のなので、

すでに知っている方は「復習」が、

そうでない方は「学習」ができる作品です。

「シン・ウルトラマン」は本当にいい映画だぞ。
次の感想は大人気のメフィラスと最強の敵のことか。

クライマックスは衝撃的な展開だけど、
映画のスケールアップのためにはいい設定だったね。

シン・ウルトラマンの基本情報

  • 公開日:2022年5月13日
  • 上映時間:113分
  • 監督:樋口真嗣
  • 脚本:庵野秀明
  • 音楽:宮内國郎、鷺巣詩郎
  • 主題歌:米津玄師「М八七」
  • 制作会社:東宝、円谷プロダクション、株式会社カラー

最後まで読んでくれて、ありがとな。

またのご訪問をお待ちしています。

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