出典:女神の教室~リーガル青春白書~4話
妙香、人間の世界の裁判はずいぶん長いらしいが、
それはどうしてなんだ?
原告と被告、双方が譲らないことが多いんだよ。
検察官も弁護人も裁判に勝ちたいと思ってるからね。
でも、もう一つ大事な選択肢があることを、
忘れないでいてほしいな。
出典:女神の教室~リーガル青春白書~4話
突然、前倒しで行われることになった。
学生たちは雫の授業の最中でも、
隠れて選抜テストの勉強をはじめてしまう。
雫は藍井に「授業にならない」というが、
藍井は学院長の守宮から承認を得ていると答える。
真中・桐矢・水沢・天野の4人もまた、
選抜テストに向けて準備をするが、
照井が雫の実務実習を辞めたと聞いて驚く。
雫は彼らの状況を理解しつつも、新たな事案を提出した。
おもな登場人物(敬称略)
出典:女神の教室~リーガル青春白書~4話
青南大学法科大学院(教員)
柊木雫(北川景子)
東京地裁の裁判官。教員として派遣される。
藍井仁(山田裕貴)
エース教員。司法試験に勝つための講義を行う。
青南大学法科大学院(学生)
照井雪乃(南沙良)
厳しめの学生。雫の講義になじめない。
真中信太郎(高橋文哉)
人権派弁護士を目指す学生。表と裏のある性格。
桐矢純平(前田旺志郎)
お調子者の学生。検察官になることが目標。
水沢拓磨(前田拳太郎)
寡黙な学生。バイトと勉強の両立で苦労する。
天野向日葵(河村花)
やる気のない学生。水沢のことを気遣う。
青南大学法科大学院(指導者)
里崎健一郎(小堺一機)
教務主任。模擬裁判の裁判長。
守宮清正(及川光博)
学院長。雫の学生時代の恩師。
女神の教室~リーガル青春白書~4話の感想
出典:女神の教室~リーガル青春白書~4話
和解とは双方が譲り合うこと
学校って友だち作りには最適なんですが、
どうしても反りが合わず、
「こいつにだけは負けたくない」という、
ライバルがいる場所でもあります。
真中と水沢は育ってきた環境や、
もともとの性格の違いもあって、
何かあるたびに対立していました。
2人の仲の悪さを心配した天野は、
それとなく雫に相談しますが、
洞察力のある雫は、
はじめから全部わかっていたんですよ。
だから実務演習の課題として、
「和解」がテーマになる事案を選んだんですね。
法律における和解は、
民法695条に記載されています。
和解は、当事者が互いに譲歩をして,
その間に存する争いをやめることを約することによって、
その効力を生ずる。
今回、4人の学生たちが勉強した事案は、
かなり難しいものでした。
とび職の一人親方Aが、
元請け業者の工務店Bから依頼を受けて仕事中、
マンションの2回から転落してケガを負い、
1か月後に硬膜外血腫を起こして急死。
原因は転落事故だった。
Aの妻は転落防止ネットの設置を怠ったB社に、
損害賠償請求をしたが拒否されている
Aは44歳の働き盛りで幼い子供が2人いました。
B社の仕事は毎日のように請け負っていて、
過重労働とも思えるものでしたが、
年収が500万円しかなく、
仕事を切られることにおびえていたんです。
しかし、B社にも、
経営難という事情がありました。
Aの妻が損害賠償として請求した額は、
1億8千万だったんですが、
それを払ってしまうと、
倒産する可能性があったんです。
だから、学生たちが、
原告側と被告側に別れて行った模擬裁判では、
当初から意見がぶつかってしまいます。
真中は一緒に勉強した天野が、
「会社の立場になって考えてみた」と言ったことと、
雫から「弁護士は何のためにいると思う」と、
問われていたことを思い出します。
そこで真中が出した結論は和解だったんです。
B社は多額の賠償金を支払うと、
経営が立ち行かなくなり、
多くの従業員を路頭に迷わせてしまいます。
またAの妻も、
賠償金を勝ち取るまで裁判が長引いてしまうと、
心身と経済に多大な負担がかかってしまうんですよ。
模擬裁判での和解はあり得ないと、
裁判長役の里崎は言いましたが、
真中の出した答えは最適解じゃないですか。
原告と被告、双方が話し合って出した結論は、
損害賠償と慰謝料を合わせて7千万円を、
B社がAの妻に支払うことでした。
模擬裁判を傍聴していた学生たちは、
「どちらが勝つか」を楽しみにしていたので、
つまらないと言っていましたが、
私は素晴らしいと思いましたよ。
和解って最高です。
世の中にはいろんな争いがありますが、
互いに譲歩しないから、
どちらも傷ついてしまうことになるんです。
真中と水沢はライバル関係にあったので、
「絶対に勝ちたい」という思いがありましたが、
裁判に余計な私情をはさむのはタブーなんですよ。
雫は2人を諭すのではなく、
和解しか答えのない事案を勉強させることによって、
わだかまりを解消させました。
守宮学院長が彼女に期待してるのは、
人として法律にどう向き合うかを、
実践で教えてるからなんです。
真中・水沢・桐矢・天野たちの絆は、
これでいっそう強まったので、
照井も心を開いてくれるといいですね。
藍井は元塾講師だった?
めっちゃ感動した4話でしたが、
少し気になることがありました。
雫が藍井に、
「塾講師のほうが向いてますよ」と言ったことです。
塾講師といえば、
警視庁捜査一課の風見が、
「人気塾講師が起こした事件」について調べてますが、
藍井はまさか、その犯人だったんでしょうか。
髪は地毛ではなく、
ウィッグをつけてますし、
いつも黒い和服を着ているのは、
かなり異様だと思います。
もし彼が、過去に犯罪に手を染めていたとしたら、
青南ローはたいへんなことになってしまいますね。
守宮の責任も問われかねません。
藍井が過去の判例にこだわるのは、
自身が過去に被告人として、
法廷に立ったことがあるからだと思います。
今のところはまったく分かりませんが、
学生たちが妙な嫌がらせを受けているのも、
ちょっと気味が悪いですし、
青南ローの裏側には何かあるはずです。
理想の道にたどり着くためには、
現実の思うようにならない坂を、
何度も何度も越えなければなりませんが、
雫と生徒たちにはかんばってもらいたいです。
女神の教室~リーガル青春白書~4話の名言
出典:女神の教室~リーガル青春白書~4話
柊木雫①
あなたにはないんですか?
理想とする法律家の姿が。
柊木雫②
和解の本質は互いに譲る。
互譲にあると示されている。
刑事事件とは異なり、
民事事件にはどちらにも事情がある。
解決まで多大な時間を要することがある。
だからみんなには、
互譲という選択肢があることを、
覚えていてほしい。
柊木雫③
勝てる弁護士がいい弁護士じゃないんだよ。
自分の思いや事情に捉われることなく、
何よりも依頼人に寄り添える。
それがいい弁護士だと私は思ってる。
柊木雫④
判例に残らないから、
身をもって学んでほしかったんです。
大切なことだと思いませんか?
立場や考え方が違っても、
どこかで折り合いをつけなきゃ、
やって行けませんよ。
藍井仁
和解しか答えのない、
模擬裁判をやらせるなんてどうかしている。
言ってしまえば和解はケンカの仲裁。
法律論ではない。
判例にも残らない。
真中信太郎①
これ以上、僕たちが争ったところで、
勝敗がつくとは思えないんだ。
真中信太郎②
話し合って双方が納得する形で、
どうにか落としどころを探る。
それしかない。
それが弁護士として、
僕らが依頼人のために、
できることなんじゃないかな。
真中信太郎③
でも、それは、
弱い立場の人たちを助けたいからだよね。
純粋にそう思えるのって、すごいことだと思う。
水沢拓磨
和解なんて考えもしなかった。
裁判に勝つことばかりに捉われていて。
里崎健一郎
ちなみに判決を勝ち取る弁護士は二流。
一流は争わず和解させる。
これが私の持論です。
守宮清正
私には夢があるんです。
そのためにも藍井先生と柊木先生。
どちらもこの学校には必要なんです。
私はあなたたちをいいコンビだと思ってますよ。
真正面からちゃんとぶつかり合ってるじゃないですか。
女神の教室~リーガル青春白書~4話の基本情報
出典:女神の教室~リーガル青春白書~4話
- 本放送日:2021(令和5)年1月30日
- 脚本:神田優
- 音楽:武部聡志
- 演出:谷村政樹
- 制作著作:フジテレビ
- 視聴率:6.5%
最後まで読んでくれて、ありがとな。
またのご訪問をお待ちしています。