ミケさん宇宙人には、
とんでもないヤツがいるんだね。
マゼラン星人は地球を破壊しようとしてるよ。



人間と同じで、
いろんな価値観の星人がいるんだ。
地球侵略もひどい話だが、
地球そのものを破壊するというのは、
危険な発想で許しがたいぞ。
【セブン】#37「盗まれたウルトラ・アイ」のあらすじ
ウルトラ警備隊は二手に分かれて、
未確認物体の探索を行っていた。
アマギはソガと交信していたが、
なぜかケンカ腰になってしまう。
フルハシは怒るアマギをなだめながら、
ポインターを走らせて行った。
すると、少女が運転するダンプとすれ違った。
近くには運転手と思われる男が倒れていた。
アマギはダンに連絡してダンプを検問しろと言った。
ダンはダンプを止めようとしたが、
危うく引かれそうになってしまうのだった。
おもな登場人物(敬称略)
モロボシ・ダン(森次晃嗣)
ウルトラ警備隊員。ウルトラアイでセブンに変身する。
キリヤマ(中山昭二)
隊長。38歳にには見えない貫禄を持つ。
フルハシ(石井伊吉)
北海道出身。ウルトラ警備隊きっての武闘派。
アマギ(古谷敏)
名古屋出身。兵器開発が得意。
ソガ(阿知波信介)
九州出身。射撃の名手。
アンヌ(ひし美ゆり子)
本作のヒロイン。普段はメディカルセンターで働いている。
登場宇宙人(マゼラン星人マヤ)
【セブン】#37「盗まれたウルトラ・アイ」の感想
この話のシナリオを担当したのは、
大河ドラマ「黄金の日々」や「花の乱」を手掛けた、
名脚本家の市川森一さんです。
セブンでは13、24,29,35話も書いていますが、
この37話は名作と呼ばれています。
怪獣とのバトルがありませんし、
全体的に暗い雰囲気のストーリーなので、
放送当時の子供たちには受けませんでした。
しかし、ドラマ性の高さが、
のちに高評価されたんですよ。
確かに地味ながら美しい物語ですものね。
とはいえ、ひとつだけ残念だったのは、
サブタイが「盗まれたウルトラ・アイ」だったことです。
ダンはこれまでに、
ピット星人やゴドラ星人のだまし討ちで、
ウルトラ・アイを盗まれているので、
このサブタイでは今さら感が強いじゃないですか。
もともとは「他人の星」というサブタイだったので、
こちらで良かったと思いますよ。
ウルトラセブンであるダンにとっても、
侵略者であるマゼラン星人にとっても、
地球は他人が住む星だからです。
退廃する文化への警告なのか
昭和のウルトラシリーズの宇宙人は、
星の名前で呼ばれるのがほとんどなので、
個人名を持つ個体は珍しいですね。
ウルトラQ21話で、
ルパーツ星人ゼミが出てきたくらいです。


地球破壊の密命を受けたマゼラン星人の少女には、
マヤという個人名がありました。
かつてメキシコで栄えた古代文明と、
仏教の始祖・釈迦を生んだ母親と同じ名前なんです。
この話の主人公はダンではなく、
そんな深い名前を持った彼女だったんですが、
彼女は地球について、こう言い放っています。
こんな狂った星を?
引用元:ウルトラセブン37話(マゼラン星人マヤのセリフ)
見てごらんなさい。
こんな星、侵略する価値があると思って?
マヤが身を潜めていた場所は、
たくさんの若者たちが踊っているスナック「ノア」でした。
セブンが放送されていた頃の日本は、
いわゆる高度成長期で、
公害や退廃した文化が特徴的だったんです。
マゼラン星人は冷徹な種族で、
地球を勝手に「狂った星」とみなし、
宇宙から跡形もなく消し去ろうとします。
そして惑星間弾道ミサイルを発射したんですよ。
かれらの高慢さには腹が立ちましたが、
地球はかつて火星からも警告を受け、
凶悪な怪獣・ナメゴンを送り込まれたことがあります。
セブンとウルトラ警備隊の役目は、
侵略者たちから地球を守ることですが、
人類は宇宙に恥じない民族として、
もっと努力しなければいけません。
マヤはダンの説得に応じませんでしたが、
地球という星を認めていないからでしょう。
でも、まったく目的の違う異星人2人が、
「他人の星」でどう生きてゆくのか、
それを真正面から描いた話は、
いつもとは違って興味深かったです。
【セブン】#37「盗まれたウルトラ・アイ」の情報



最後まで読んでくれて、ありがとう。



またの来訪を待っているぞ。

