
ミケさん
セブンには怪獣が出ない話があるけど、
それはいったいどうしてなの?

あんのん君
特撮は何かと予算がかかるんだ。
セブンの終盤はとくに大変だったから、
怪獣の出ない話が多く作られた。
だが、それが作品の評価を上げたんだぞ。
【セブン】#43「第四惑星の悪夢」のあらすじ
地球防衛軍は長距離用宇宙ロケットである、
スコーピオン号を完成させた。
これは実に画期的な開発で、太陽系だけでなく、
銀河系への航行も可能なものだった。
そんななか、何故かソガは占星術にはまり、
星の位置に不安を感じていた。
さそり座・冥王星・火星の3つが重なると、
不吉なことが起こるというのだ。
フルハシとアマギは笑い飛ばすが、
ソガはダンとスコーピオン号に乗ることになっていた。
スコーピオン号は計器が自動操縦するロケットだった。
しかし、ダンたちが乗った直後、
何かに誘導されるようにコースを外れてしまう。
おもな登場人物(敬称略)
モロボシ・ダン(森次晃嗣)
ウルトラ警備隊員。ウルトラアイでセブンに変身する。
キリヤマ(中山昭二)
隊長。38歳にには見えない貫禄を持つ。
フルハシ(石井伊吉)
北海道出身。ウルトラ警備隊きっての武闘派。
アマギ(古谷敏)
名古屋出身。兵器開発が得意。
ソガ(阿知波信介)
九州出身。射撃の名手。
アンヌ(ひし美ゆり子)
本作のヒロイン。普段はメディカルセンターで働いている。
ゲスト出演
アリー(愛まち子)
ロボット長官の秘書。第四惑星に迷い込んだダンとソガを助ける。
登場怪獣(ロボット長官、ロボット署長)
【セブン】#43「第四惑星の悪夢」の感想
実相寺監督が手がけたエピソードは、
社会問題に切り込んだものが多いんですが、
この話は利便性を追求する現代に、
大きな疑問を投げかけてるんですよ。
セブンが放送された頃は、
パソコンもスマホもまだ開発されておらず、
当然、インターネットもありませんでした。
でも、ロボットが人間にとって代わるというのは、
実に衝撃的な内容でした。
第四惑星はもともと、
地球と同じように人間が支配していましたが、
ロボットに頼り切りになった結果、
その立場が逆転してしまったんですよ。
それでもロボット長官が温和な人物なら、
不幸なディストピアにならずに済んだんですが、
ロボット長官は非常に冷酷な人物なので、
何かと理由をつけては人間を処断していたんです。
そうなってしまったのは多分、
人間とロボットの関係が、
最初からうまく行ってなかったんでしょうね。
だから恨みを持ったロボットが、
人間に対して反乱を起こして、
社会を乗っ取ってしまったんですよ。
昨今、AIが脚光を浴びていて、
様々な分野で役に立っていますが、
使い方を間違えると、
とんでもないことになるかも知れません。
「第四惑星の悪夢」は、
オートメーションが行き着いた先の悲劇を描いていますが、
半世紀経った今でも色あせない名作です。
第四惑星は未来の地球?
第四惑星はどこにあるのか
自動制御で航行するはずのスコーピオン号は、
ロボット長官の誘導により、第四惑星に漂着しました。
でも、第四惑星ってどこなんでしょうね?
ロボット長官は、
地球から120億万キロ先と言っていましたが、
どうもその言い方がひっかかります。
120億キロのほうがすっきりするからです。
さらに第四惑星の歴史では、
「2000年前は人間が支配していた」となっていました。
ここからは私の脳内妄想になるんですが、
第四惑星はおそらく「未来の地球」の想像図でしょうね。
どこか別の惑星という可能性も否定できませんが、
風景が地球にそっくりだからです。
ウルトラQ17話では、
通勤途中に駅の階段で転んでしまった由利子が、
「S13地区」というディストピアに迷いこみました。
しかし、それは現実ではなく、
怪我した由利子が見た夢だったんです。
時にはアナログで息抜きを
ダンとソガもスコーピオン号の中で、
30日間ずっと眠り続けていたので、
悪夢を見ていたと考えると辻褄が合いますね。
ロボット長官たちの最期がわからなかったですし。
2人が地球に帰還すると、
キリヤマが基地のオートメーション化を喜んでいました。
第四惑星を見てきたソガは危機感を覚えますが、
キリヤマはまったく気にしません。
人類の進化は喜ばしいことですが、
裏には必ず弊害もあるんです。
ラストでは私服姿のダンとソガが、
仲良く下駄で明日の天気を占っていました。
利便さに頼りすぎるのではなく、
時にはアナログで息抜きするというのも大事ですね。
【セブン】#43「第四惑星の悪夢」の情報

ミケさん
最後まで読んでくれて、ありがとう。

あんのん君
またの来訪を待っているぞ。