妙香、実相寺監督が撮った作品は、
本当に名作が多いよな。
今回の話はシナリオが金城哲夫さんだぞ。
実相寺監督と金城哲夫さん。
最高の組み合わせだね。
メトロン星人もいい味を出してるし、
ファンじゃない人にもオススメしたい。
ウルトラセブン8話のあらすじ
北川町で不審な事件が立て続けに起こっていた。
タクシーが暴走し、乗客の女性が助けを求めている。
さらに北川町に住むアンヌの叔父が操縦する飛行機が、
原因不明の事故で墜落してしまった。
弔問客の中には故人を悼む者がいたが、
130名の乗客が不憫だという者もいた。
数日後、またもや北川町で、
若い男によるライフル乱射事件が発生する。
この事件に遭遇したフルハシは足を怪我してしまった。
フルハシはウルトラ警備隊のメディカルセンターに。
しかし、アンヌが細かいので作戦室で一服する。
すると突然、フルハシは野獣のように暴れ出すのだった。
ウルトラ警備隊(敬称略)
モロボシ・ダン(森次晃嗣)
謎の風来坊。ウルトラ警備隊に協力して隊員となる。
キリヤマ(中山昭二)
隊長。38歳にには見えない貫禄を持つ。
フルハシ(石井伊吉)
北海道出身。ウルトラ警備隊きっての武闘派。
アマギ(古谷敏)
名古屋出身。兵器開発が得意。
ソガ(阿知波信介)
九州出身。射撃の名手。
アンヌ(ひし美ゆり子)
本作のヒロイン。普段はメディカルセンターで働いている。
ウルトラ戦士
ウルトラセブンはカッコいいですよね。
必殺技もたくさんあります!
登場怪獣(幻覚宇宙人メトロン星人)
魚をカラフルにしたような宇宙人だ。
理知的なしゃべり方で、和風の文化を好むぞ。
だが、宇宙芥子入りの煙草を使って、
人間同士を争わせようとするなど、
性格はなかなか狡猾だぜ。
セブンとは争いたくなかったようで、
積極的な攻撃はしなかった。
ウルトラセブン8話「狙われた街」の感想
不思議で美しい実相寺ワールド
メトロン星人は地球侵略を企てましたが、
何故か憎めないんですよね。
見た目がキレイですし、
ちゃぶ台や木造アパートなど、
日本の文化をこよなく愛してるからでしょうか。
ウルトラセブンは海外進出も見据えた作品だったので、
実相寺監督のこういった演出には、
不満の声があがったそうですよ。
でも、半世紀以上たった今では、
不朽の名作として、多くのファンに支持されています。
木造アパートから宇宙船が出てくるというのが、
なんともシュールでたまらないですし、
夕陽の中で戦うセブンとメトロン星人の構図は、
不思議な雰囲気で最高なんですよ。
もし、これが普通の演出だったら、
印象に残らなかったかも知れません。
メトロン星人は武力行使ではなく、
北川町の駅前の自動販売機に、
宇宙芥子入りの煙草をセットしました。
赤く小さな実である宇宙芥子は、
Y星で採れるものなんですが、
摂取した人に強い幻覚を見せてしまいます。
それは周りの人々がすべて敵にみえるという、
恐ろしいものだったんです。
ごく普通の一般人だけでなく、
厳しい訓練を積んでいるウルトラ警備隊員が、
おかしくなってしまうのは衝撃でしたね。
フルハシとソガは気分転換のつもりで煙草を吸いましたが、
宇宙芥子の影響で大暴れしてしまいました。
実はメトロン星人の真の目的は、
人間同士の信頼関係を壊すことだったんです。
ダンが原因を突き止めたので、
計画は失敗に終わりましたが、
フルハシとソガが暴れたときはヒヤッとしましたね。
メトロン星人の地球侵略計画は、
引用元:ウルトラセブン8話(エンディングナレーション)
こうして終わったのです。
人間同士の信頼感を利用するとは、
恐るべき宇宙人です。
でも、ご安心ください。
このお話は遠い遠い未来の物語なのです。
えっ?何故ですって?
われわれ人類はいま、宇宙人に狙われるほど、
お互いを信頼してはいませんから。
このエンディングナレーションは辛口で有名ですが、
これは金城哲夫さんではなく、
実相寺監督が考えたそうです。
逆説的に信頼の大切さを説くのが、
非常に面白い話ですね。
トリガーのマルゥル、デッカーのナイゲル
メトロン星人は人気が高いせいか、
近年の作品では、主人公の仲間になることが多いです。
ウルトラマントリガーのマルゥルは、
ナースデッセイ号のオペレーターとして活躍しました。
「マルゥル探偵の事件簿」では、
有名探偵の物まねをして、視聴者を楽しませてくれます。
またウルトラマンデッカーに登場したナイゲルは、
TPUの内部調査局長の要職にあり、
GUTS-SELECTのムラホシ隊長の取り調べにあたりました。
ムラホシがヴィランのアサカゲ博士(アガムス)に、
協力しているのではないかという疑いをかけたんですが、
リュウモン・ソウマの活躍で事なきを得たんですよ。
因みにデッカーの主人公のアスミ・カナタは、
マルゥルと面識があったので、
ナイゲルを初めて見たとき、マルゥルと勘違いしています。
本編ではルールを遵守し、
厳しい性格だったナイゲルですが、
デッカーの劇場版では協力者となって、
カナタたちの窮地を救っています。
モロボシ・ダンとメトロン星人の対話が上手く行っていれば、
戦うことなく穏便に事態を収拾できたでしょうね。
マルゥルやナイゲルは、
セブンに出てきたメトロン星人の「IF」の姿だと思います。
ウルトラセブン8話の視聴方法
ウルトラセブンはシリーズ史上、
最高傑作と言われている作品だぞ。
バンダイチャンネルでは、
1話たったの110円で観られるから、
興味を持った人はぜひ見てほしい。
月額550円のツブイマもオススメだ!
ウルトラセブン8話の基本情報
本放送日:1967(昭和42)年11月19日
制作順:10
放送回:8
脚本担当:金城哲夫
登場怪獣、宇宙人:メトロン星人
主題歌「ウルトラセブンの歌」みすず児童合唱団、ジ・エコーズ
劇中ナレーション:浦野光
特殊技術:大木淳
監督:実相寺昭雄
最後まで読んでくれて、ありがとな。
またのご訪問をお待ちしています。