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【ウルトラマン】39話「さらばウルトラマン」あらすじと感想。誰もが泣いた伝説の最終回

あんのん君

妙香、ドラマの最終回というのは楽しみだが、
同時に切ないものでもあるな・・・

岩松妙香

そうだね。
その作品とのお別れになるからね・・・
初代マンの最終回は、
前半が最悪の敵・ゼットンの戦い、
後半がウルトラマンの帰還になるんだよ。

ミケちゃん

前回の感想はこちらです。

目次

おもな登場人物(敬称略)

出典:ウルトラマン39話

ハヤタ・シン(黒部進)
事実上の副隊長。ベーターカプセルでウルトラマンに変身する。

ムラマツ・トシオ(小林昭二)
統率力バツグンの隊長。部下からはキャップと呼ばれる。

アラシ・ダイスケ(石井伊吉)
武闘派で射撃の名手。イデとは名コンビ。

イデ・ミツヒロ(二瓶正也)
ひょうきんなムードメーカー。気が弱いが頭はいい。

フジ・アキコ(桜井浩子)
おもに通信を担当している。ホシノ君の保護者的立場。

岩本博士(平田昭彦)
科特隊の優秀なブレーン。御殿山にある科学センターの長。

客演ヒーロー

ゾフィー(CV:浦野光)
М78星雲の宇宙警備隊員。ゼットンに敗北したウルトラマンを迎えに来た。

登場怪獣

宇宙恐竜ゼットン

身長:60メートル
重さ: 3万トン
出身地:ゼットン星

あんのん君

ゼットン星人が使役する怪獣だ。
科特隊が追っていた大型の宇宙船の中におり、
青い風船が爆発すると同時に現れた。
科特隊本部に接近したため、
ハヤタが変身したウルトラマンと戦うことになる。
ウルトラマンは様々な技を繰り出すが、
それらを防御バリヤーで打ち破ってしまう。
さらに必殺技のスペシウム光線を増幅して撃ち返し、
ウルトラマンに致命的なダメージを与えた。
ピポポポという電子音のような鳴き声と、
無表情な顔は本当に不気味だったな。

変身怪人ゼットン星人

身長:2メートル
重さ: 60キロ
出身地:ゼットン星

ミケちゃん

地球侵略を企てた正体不明の宇宙人です。
大量の空飛ぶ円盤で大気圏内に侵入し、
航空自衛隊の戦闘機を次々に撃墜しました。
円盤群は科特隊のビートルに退治されますが、
すでに星人の1体が科特隊本部に潜入、
岩本博士に襲いかかってしまいます。
星人は岩本博士になりすまして、
科特隊本部の通信機器などを破壊します。
しかし、逃げ出したところをアラシさんに追いつかれ、
ついに正体が明らかになりました。
ケムール人にそっくりな外見なので、
同族なのかも知れませんね。

ウルトラマン39話「さらばウルトラマン」のあらすじ

出典:ウルトラマン39話

突然現れた謎の円盤群

はるか宇宙から大量の空飛ぶ円盤が、
地球を目指してやってきました。

各国の人工衛星はその情報をつかんで、
SOSの信号を発信します。

科特隊パリ総合本部や、
ニューヨーク・ロンドン・モスクワにある支部でも、
厳戒態勢が取られていました。

もちろん、日本支部も来るべき事態に備えます。

円盤群の地球侵入は、
グリニッジ標準時間0時24分と判明しました。

日本時間だと9時24分です。

敵の動きは迅速で、
あと40分後にやってきてしまうのでした。

事態を把握した岩本博士は、
「目標は地球の2大国だと思う」といいます。

ムラマツはその言葉に驚きましたが、
岩本博士は次のように説明しました。

「空飛ぶ円盤は1930年以来、
偵察のために頻繁に地球に現れている。
今度の場合はスケールから言って地球総攻撃。
敵は40年間もそのチャンスを伺っていたんだ」

アキコとともに通信に当たっていたハヤタは、
円盤群の位置を突き止めます。

それによると、ハワイ沖約500キロの地点でした。

アラシとイデは先制攻撃でミサイルを撃つことを、
ムラマツに提案しました。

しかし、地球の運命に関わる大事の時は、
パリ本部の指示を仰がねばなりません。

ムラマツは2人に「冷静になれ」と言いました。

ちょうどその時、
科特隊パリ本部から連絡が入って、
アキコがその通信文を読み上げます。

「円盤群は日本科特隊支部、
およびウルトラマンを撃滅した後、
各国を襲うものと思われる。
日本支部の健闘を祈る」

ムラマツはアキコと岩本博士を除く全員に、
出動命令を出すのでした。

宇宙人の恐るべき策略

岩本博士は昨日できたばかりの新兵器を、
ムラマツに渡すことを忘れていました。

アキコが「まだ間に合うと思いますよ」というと、
司令室を出て行きます。

でも、途中で何者かに襲われてしまったんです。

ムラマツたちは3機のビートルで、
円盤群と激闘を繰り広げていました。

敵はビーム攻撃で応戦するものの、
それをみごとにかわして、
次々に円盤群をやっつけて行きます。

その頃、科特隊本部では異変が起きていました。

岩本博士を襲った何者かが彼になりすまして、
アキコのいる司令室に入って行ったんです。

何も知らないアキコは、
「新兵器は間に合ったんですか?」と聞きますが、
にせ岩本博士は何も答えず、
アキコの首を絞めて気絶させてしまいました。

そして、持っていた銃で、
科特隊のコントロールパネルを破壊したんです。

ムラマツはハヤタと、
円盤群の母船と思われる1機を追いかけました。

ところが、妙に逃げ足が速かったので、
峡谷の狭い場所で見失ってしまったんです。

そこにイデから通信が入りました。

円盤群は彼とアラシの活躍で、
すべて始末できたといいます。

ムラマツは2人の健闘をたたえると、
本部に帰っていいと指示しました。

イデは意気揚々とアキコに連絡しますが、
彼女からは何の応答もありません。

それもそのはず、
にせ岩本博士に破壊された司令室は、
コントロールパネルがショートしていたのでした。

にせ岩本博士の正体

本部に到着したイデとアラシは、
司令室で倒れているアキコを見つけます。

2人の呼びかけで目を覚ましたアキコは、
「犯人は岩本博士よ」といいました。

イデとアラシは意外な言葉に、
驚いて顔を見合わせます。

アラシはアキコをイデに任せると、
犯人を見つけるため司令室を飛び出しました。

アラシが階段を降りると、
にせ岩本博士が一目散に逃げて行きます。

しばらくすると、
ムラマツとマルス133を持ったハヤタが来ました。

アラシは『岩本博士の様子がおかしい』といい、
ムラマツとハヤタに同行を頼みました。

にせ岩本博士は後ろを振り返りながら、
科特隊本部の庭を走って行きます。

道の途中で隠れて、
なんとか逃げ切ろうとしますが、
ついにアラシのタックルで捕まりました。

アラシは勢いでにせ岩本博士を殴ってしまいますが、
ムラマツに「何をするんだ」と注意されます。

しかし・・・その男は宇宙人でした。
科特隊本部のコントロールパネルを壊した張本人だったんです。

ハヤタがマルス133を撃つと、
宇宙人は「ゼットン・・ゼットン」と言いながら、
消えてしまいました。

史上最悪の敵

ハヤタは宇宙人が断末魔に言った、
「ゼットン」という言葉が気になりました。

すると、地面の一角が急に盛り上がり、
ムラマツとハヤタが追っていた母船が出てきます。

母船が窓を開けると青い風船が膨らんで、
爆発と同時に宇宙怪獣が現れました。

周期的な機械音を発する宇宙怪獣は、
科特隊本部に向かって前進を開始します。

ムラマツは「本部はわれわれの命だ」といって、
ハヤタ・アラシとともに臨戦態勢を取りました。

ハヤタは宇宙人を倒したマルス133で攻撃しますが、
宇宙怪獣にはまったく通用しません。

ようやく意識を取り戻した岩本博士は、
流星バッジでムラマツに救助を要請しました。

ムラマツはハヤタとアラシに岩本博士の救出を頼むと、
マルス133で宇宙怪獣と対峙します。

ハヤタはアラシが本部の中に入るのを見届けると、
ウルトラマンに変身するのでした。

ウルトラマン39話「さらばウルトラマン」の感想

出典:ウルトラマン39話

冒頭からの緊迫感と衝撃的な演出

ゼットンの絶望感は半端ないですね。

昨年公開された映画「シン・ウルトラマン」の、
天体制圧用最終兵器も怖かったですが、
初代のゼットンの恐ろしさは格別です。

また最終回ということもあって、
序盤からいつもと違う緊迫感にあふれていました。

イデだけは円盤の襲来とというニュースを知っても、
「矢でも鉄砲でも持ってこいってんだ」と、
いつもの調子を崩しませんでしたが、
ムラマツの指揮は闘魂が入っていましたね。

前半でいちばん衝撃的だったのは、
ウルトラマンがゼットンに倒された時、
過去の戦いとともに、
悲しい劇伴が流されたことでした。

多くの視聴者はウルトラマンが立ち上がって、
ゼットンに猛反撃すると思ったでしょうが、
走馬灯のような戦いの記憶とと悲しい劇伴は、
その願いを打ち砕いてしまうものだったんです。

今観てもこのシーンは堪えます。

私は子供の頃、とにかくゼットンが嫌いで、
雑誌やメンコでかれを見かけると、
リベンジとばかりに破いてしまったことがあります。

アキコが悲痛な声で、
「ウルトラマン、死んじゃダメ!」と叫びますが、
これは視聴者全員の代弁です。

岩本博士は科特隊最高のブレーン

出典:ウルトラマン39話

もはやゼットンは誰も倒すことができず、
地球は侵略されてしまうかと思われましたが、
岩本博士はすごい切り札を持っていたんですよ。

昨日できたばかりのペンシル爆弾です。

試作品だったため、
1発しかない貴重な武器でしたが、
アラシの的確な射撃のおかげで、
みごとにゼットンを倒しました。

ゼットンは地上では無敵でしたが、
無重力で空に浮かんだ状態だと、
何もすることができないんでしょう。

岩本博士はジェットビートルの開発者であり、
宇宙工学だけでなく、植物学や考古学、
微生物学や物理学にも明るい人です。

ウルトラマンが歯が立たなかったゼットンを、
試作品のペンシル爆弾で倒した功績は、
本当に大きいですよ。

そんな岩本博士も過去には研究に失敗し、
たいへんな被害を出してしまったことがありましたが、
今回の活躍で帳消しになりました。

ウルトラマンが歯が立たなかったゼットンを、
試作品のペンシル爆弾で倒した功績は、
本当に大きいじゃないですか。

もし岩本博士がゼットン星人に命を取られて、
ペンシル爆弾を奪われてしまったら、
科特隊は完全に詰んでいました。

性格も冷静で穏やかですし、
岩本博士は最高のブレーンだと思います。

ハヤタの記憶はどうなったのか

最後にウルトラマンとゾフィーの会話を載せておきますね。

ゾフィー

ウルトラマン、目を開け。
私はМ78星雲の宇宙警備隊員・ゾフィー。
さあ、私と一緒に光の国へ帰ろう。ウルトラマン

ウルトラマン

ゾフィー、私の身体は私だけのものではない。
私が帰ったら、ひとりの地球人が死んでしまうのだ。

ゾフィー

ウルトラマン、お前は充分に地球のために尽くしたのだ。
地球人は許してくれるだろう。

ウルトラマン

ハヤタは立派な人間だ。
犠牲にはできない。私は地球に残る。

ゾフィー

地球の平和は、人間の手でつかみ取ることに価値があるのだ。
ウルトラマン、いつまでも地球にいてはいかん。

ウルトラマン

ゾフィー、それならば、
私の命をハヤタにあげて、地球を去りたい。

ゾフィー

お前は死んでもいいのか?

ウルトラマン

構わない。私はもう2万年も生きたのだ。
地球人の命は非常に短い。
それにハヤタはまだ若い。彼を犠牲にはできない。

ゾフィー

ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか。
よろしい、私は命を2つ持ってきた。
その1つをハヤタにやろう。

ウルトラマン

ありがとう、ゾフィー。

ゾフィー

じゃあ、ハヤタと君の身体を分離するぞ。

ウルトラマンと分離したあと、
ハヤタは竜ヶ森以降の記憶を失くしてしまいました。

ウルトラマンと一体化していた時は、
彼の意識のほうが優先されていたのかも知れません。

ゾフィーは「命を2つ持ってきた」と言いましたが、
こうなる事態を予見していたんですね。

原案ではゾフィーがゼットンを倒す予定でした。

命をもらって復活したウルトラマンは、
故郷のМ78星雲に帰って行きました。

第37話の伏線で示されたように、
地球は科特隊が守って行くことになったんですよ。

私はその後の科特隊の活躍が気になります。

優秀な人材が多いので、
多種多様な武器や宇宙船を開発し、
光の国とも交流したのではないでしょうか。

ウルトラマン39話の基本情報

出典:ウルトラマン39話

本放送日:1967(昭和42)年4月9日
登場怪獣、宇宙人:宇宙恐竜ゼットン、ゼットン星人
制作順:39
脚本担当:金城哲夫
音楽:宮内國郎
ナレーション:浦野光
特技監督:高野宏一
監督:円谷一
視聴率:37.8%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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