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【ウルトラQ】10話「地底超特急西へ」あらすじと感想。少年は超特急に乗って宇宙に旅立つ

あんのん君

妙香、地底超特急「いなづま1号」のお披露目があったぞ。
特別招待された由利子が取材に行ったが、
俺も乗ってみたくなった。

岩松妙香

その気持ちわかる!
「いなづま1号」はジェットエンジンを搭載しているし、
北九州まで3時間という速さも画期的だよね。
試運転が無事故で終わってほしいな。

あと15分で発車します。
地底超特急いなづま号に乗って、
最高時速450キロの旅が始まるまで、
あと15分です。
そうです。事件はこの15分間に起こったのです。

引用元:ウルトラQ10話(オープニングナレーション)
目次

ウルトラQ10話のあらすじ

超特急「いなづま1号」がお披露目されることになった。
国鉄は報道関係者のみを試運転に招待したが、
一平はもちろん、靴磨きのイタチとコックのヘチマも、
内緒で乗り込みたいと思っていた。
一平は毎日新報のカメラマンと偽って乗車したが、
手荷物は用意したスーツケースではなかった。
相川教授が開発した人工生命М1号が入っていたのだ。
イタチはヘチマと「いなづま1号」に乗り込んだが、
国鉄職員に見つかってヘチマとはぐれる。
さらにイタチは怪獣化したМ1号に遭遇してしまう。

おもな登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

ゲスト出演

イタチ(山川哲夫)
靴磨きの少年。喋り方は江戸っ子風。

ヘチマ(青柳直人)
イタチの相棒。喫茶店でアルバイトしている。

西岡(石川進)
新東京駅の主任。仕事熱心ではない人。

小山(奥村公延)
「いなづま1号」の運転手。事件時に客車を切り離すことに成功。

相川教授(塚本信夫)
人工生命М1号を開発した学者。万城目に仕事を依頼した。

登場怪獣(人工生命М1号)

身長:2メートル
重さ:180キロ
出身地:いなづま1号の車内

あんのん君

相川教授が開発した人工生命だ。
もともとはゼリー状の液体で、
特殊なボンベの中に封印されていたんだ。
怪獣化した際の容貌はゴリラに似ているな。
知能は人間の2~3歳程度だぞ。

ウルトラQ10話「地底超特急西へ」の感想

怪事件はヒューマンエラーで起こる

今回の怪事件は「いなづま1号」の車内で起きました。
でも、例によってヒューマンエラーが原因なんですよね。

ラストシーンのフォローがなければ、
「いなづま1号」に乗り込んだイタチは亡くなっていました。

一平のおっちょこちょいは今に始まったことじゃありません。

万城目は相川教授から預かったスーツケースを、
しっかり管理するべきでした。

ビジネスは凡事徹底が基本ですし、
人工生命というとんでもない物が入っていたんですからね。

「いなづま1号」のモデルは新幹線?

「いなづま1号」のモデルは、
1964年に誕生した新幹線0系がモデルでしょう。

リニアモーターカーにも似ていますが、
リニアが正式に発表されたのは1970年の大阪万博です。

0系の最高速度は210キロでしたが、
「いなづま1号」は2倍強(450キロ)のスピードで走ることができます。

東京から北九州までわずか3時間で走り、
電子頭脳による制御も可能です。

建設費用は80億7000万円かかりましたが、
これは現代に換算すると約250億円なんですよ。

国鉄が威信をかけているのがよく分かりますね!

「いなづま1号」はスマートでカッコいいですから、
いろんな人の憧れでした。

しかし乗車OKなのは報道関係者だけだったんです。

入念な人物チェックと荷物点検をしていれば、
今回の怪事件は起こらなかったわけですが、
新東京駅の主任が能天気だったので、
いちばん重要な危機管理ができませんでした。

とはいえ、М1号には愛嬌がありましたし、
かれを怖がらなかったイタチも優しいので、
モヤッとした気分にはならなかったです。

報道関係者以外は乗車禁止というルールがなければ、
イタチは大人になりすます無茶はしなかったでしょう。

ウルトラシリーズ屈指のシュールなラスト

この話は意外な形で幕を閉じましたが、
非常に面白かったので、
イタチとМ1号の「その後」を想像してみました。

宇宙空間に飛んだ靴磨きのイタチは、
人工生命М1号と友だちになり、
科学に並々ならぬ関心を持ちました。

イタチはМ1号が初めて喋った言葉「私はカモメ」が気になります。
それはソビエトの女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワの名言でした。

宇宙空間にいる2人を助けた相川教授は、
イタチを引き取って養子にしました。

相川教授のもとで勉強するイタチは、
宇宙飛行士となることを決意し、
いつか月に行くことを目標にします。

М1号は「いなづま1号」での1件を反省し、
イタチと相川教授のために、 マスコットキャラとして働きました。

こんな感じだと、救いがあっていいですよね。

2人が宇宙空間に取り残されたままでは、
ちょっと気の毒ですから。

この話の制作順は28番目でした。

ウルトラQは全28話なので、
当初は最終回として考えられていたんでしょう。

だから「いなづま1号」も、
世界最後の超特急という謳い文句だったんですね。

ウルトラQ10話の基本情報

本放送日:1966(昭和41)年3月6日
制作順:28
脚本ナンバー:25
脚本担当:山浦弘靖、千束北男(飯島敏弘)
登場怪獣、宇宙人:人工生命М1号
特技監督:的場徹
監督:飯島敏弘
番組ナレーション:石坂浩二
視聴率:32.5%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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