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【ウルトラQ】21話「宇宙指令М774」あらすじと感想。ルパーツ星人は善か悪か

あんのん君

妙香、ルパーツ星人は人類に友好的だぞ。
地球の危機も教えてくれたし、
いい関係を築けるのではないか?

岩松妙香

それはどうかな?
賢い宇宙人は巧妙な策を使うよ。
疑うのは良くないけど、用心しておいたほうがいいかも。

目次

ウルトラQ21話のあらすじ

万城目たち3人は客船に乗って旅をしていた。
船内でババ抜きを楽しんでいたが、負けた由利子は悔しがる。
気晴らしに海風を吸いに出た彼女は、奇妙な人形を見つけた。
すると突然、人形が「わたしの名はゼミ」と喋り出す。
由利子は万城目と一平にその出来事を伝えるが、
悪い冗談だと思われてしまう。
だが、何者かによって万城目と一平は連れ去られる。
2人は場末のスナックのような場所で、
ジュークボックスが発する宇宙人の声を聞く。
声の主は「中央図書館の一条貴代美を訪ねよ」という。

おもな登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

ゲスト出演

一条貴世美/ゼミ(水木恵子)
キール星人の侵略を警告した女性。

登場怪獣

宇宙エイボスタング

身長:50メートル
全幅:40メートル
体重:1万トン
出身地:キール星⇒三浦半島沖海底

あんのん君

見た目はエイにしか見えないが、
キール星人の先兵として送り込まれた怪獣だ。
100ノットで泳ぎ、タンカーを真っ二つにするんだ。
名前の意味はキール語で永遠の命。
だが、巡視船にあっさりとやられてしまった。
なんだか看板倒れだったぜ。

ルパーツ星人

身長:1.6メートル
体重:48キログラム
出身地:ルパーツ星

ミケちゃん

宇宙エイ・ボスタングの侵入を警告した宇宙人です。
見た目は人間の女性と変わりません。
普段は一条貴世美と名乗って中央図書館の司書をしています。
「地球を守るのが使命」と言っていますが、
その腹の内はよくわかりません。
同胞が多数やってきてたのも気になりました。

ウルトラQ21話「宇宙指令М774」の感想

上原正三さんのデビュー作

いつもとはちょっと変わった雰囲気の話でしたが、
上原正三さんのデビュー作品なんですよ。

彼は金城哲夫さんと同郷の出身で、
盟友として多くの作品の制作に携わっています。

上原正三さんは特撮ライターのレジェンドです。

昭和第2期ウルトラシリーズでは、
「帰ってきたウルトラマン」のメインライターを務めました。

円谷プロを退職してフリーになってからは、
「秘密戦隊ゴレンジャー」や「バトルフィーバーJ」、
「宇宙刑事ギャバン」などのヒット作を生み出しています。

ルパーツ星人からの警告

最近のウルトラシリーズの宇宙人は、
独自の名前を持つことが多いです。

でも、初期シリーズの宇宙人は、
星の名前のままで呼ばれていました。

だからルパーツ星人に、
「ゼミ」という名前があるのは珍しかったです。 

ルパーツ星人はキール星の地球侵略を警告していましたが、
その方法はイマイチでした。

船に喋る人形を置くのは怪しすぎますよ。

テレパシーで直接語りかける、
街のネオンサインを利用して警告文を書く、
そういうやり方のほうが、相手に真意が伝わると思います。

万城目たちは中央図書館で司書の一条貴世美に会い、
ボスタングが何者なのか説明してもらいました。

それは魚のエイにソックリな怪獣でした。

しかし、万城目たちだけでは、
ボスタングの倒し方が分からないので、
一条貴世美も巡視船「ねぎし」に乗り込み、
キール星の先兵と戦うことになりました。

ボスタングが弱かった理由

ボスタングという名前はいかにも強そうですし、
タンカーを真っ二つにするほどの怪力を持つ怪獣なので、
たいへんな戦いになるかと思いきや、
まったくそんなことはありませんでした。

ボスタングは航空自衛隊の攻撃で、
あっさりやられてしまったんですよ。

かれが敗北したのは、
真夜中にタンカーを襲撃して力を使っていたからです。

万全のコンディションなら、
地球人の通常攻撃など簡単にかわせたでしょうが、
どんなにスペックの高い怪獣でも、
急激に体力を消耗していれば勝てません。

すべてはルパーツ星人の策略なのか

一条貴世美には「宇宙指令М774」という任務がありました。

外敵から地球を守るという大事な役割ですが、
なんだか腑に落ちなかったんですよ。

キール星人の侵略が脅威に感じなかったからです。

本当に地球を奪うつもりなら、
ボスタングは1体だけでなく群れで送りこんだでしょう。

だからルパーツ星人が警告しなくても、
問題なかったですし、
余計なお世話という感じがしました。

そもそもキール星人なんて本当にいるのか、
私には疑問でしたね。

ボスタングは真夜中にタンカーを襲撃しましたが、
かれを操っていたのは美しいサンダルを履く女性でした。

一条貴世美だったんです。

彼女が課せられた「宇宙指令М774」の本来の目的は、
地球を守ることではないでしょう。

誰にも気づかれず、穏便な方法で地球を乗っ取る

一条貴世美はワザとボスタングの脅威をあおり、
かれを退治することによって、
『ルパーツ星人は正義の味方』という意識を、
万城目たちに植え付けました。

何も知らない万城目たちはあっさり騙され、
由利子は一条貴世美と友だちになりそうな雰囲気でした。

ルパーツ星人はゼミだけでなく、
多くの同胞が送りこまれていました。
一条貴代美と同じようなサンダルを履く人が、
次から次へと出て来たんですよ。

本当に善意のある宇宙人なら、
万城目と一平を誘拐したりはしません。
もっと好意的に脅威を伝えるでしょう。

初代ウルトラマンと、
シン・ウルトラマンに出て来たザラブ星人も、
友好を装いつつ地球侵略を企んでいたので、
親切な宇宙人は疑ったほうがいいのではないでしょうか。

この地球には私と同じように、
地球を守るために宇宙から来て、
そのまま棲みついた人がたくさんいるんです。
昔からたくさんの宇宙人が来ました。
あなたのお隣の方、 その人も宇宙人かも知れませんよ?

引用元:ウルトラQ第21話(ルパーツ星人のセリフ)

 ウルトラQ21話の基本情報

本放送日:1966(昭和41)年5月22日
制作順:19
脚本ナンバー:18
脚本担当:上原正三
登場怪獣、宇宙人:宇宙エイボスタング、ルパーツ星人ゼミ
特技監督:的場徹
監督:満田かずほ
番組ナレーション:石坂浩二
視聴率:30.9%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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