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【ウルトラQ】28話「あけてくれ!」あらすじと感想。異次元列車の目的地は理想の世界?

あんのん君

妙香、最近の電車は空を走るのか?
まるで銀河鉄道の夜みたいだな。

岩松妙香

やだ、夢でも見たんじゃない?
でも、本当だとしたらロマンチックね。
行き先はどこなんだろう?

目次

ウルトラQ28話のあらすじ

万城目たち3人は旅行する約束をしていた。
一平は荷物係だったが、何故か由利子は置いてきぼりにしてしまう。
仲のいい2人に裏切られた一平はひどく悔しがる。
デート気分の万城目と由利子は、
踏切の近くで倒れている沢村を見つけた。
沢村の様子がおかしかったので、2人は一の谷研究所に連れて行く。
眠っている沢村は奇妙な夢を見ていた。
SF作家の友野健二と別の世界に向かう電車に乗っていたのだ。
万城目と由利子は友野が事件の鍵を握ると考え、
彼の家を訪問するが、1年以上行方不明になっていた。

登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

一の谷博士(江川宇礼雄)
世界的権威の学者。万城目たちの良きアドバイザー。

ゲスト出演

沢村正吉(柳谷寛)
ごく普通のサラリーマン。仕事も家庭も上手く行ってない。

沢村トミ子(東郷晴子)
沢村の妻。うだつの上がらない夫にイライラする。

沢村恵子(佐々容子)
沢村の娘。両親の不仲に心を痛める。

友野健二(天本英世)
SF作家。あることがキッカケで「理想の世界」にたどり着く。

登場怪獣(異次元列車)

あんのん君

万城目たちにすっぽかされた一平が見た電車だ。
小田急ロマンスカーにソックリだが、
時間と空間を飛び超える能力を持っている。
SF作家の友野健二が車両の主だ。
乗車する時は切符が必要らしいが、
友野が許可すれば誰でも乗れてしまうぞ。

ウルトラQ28話「あけてくれ!」の感想

放送日時変更の理由

ウルトラQは全28話です。

このエピソード「あけてくれ!」は、
1966年7月10日に放送される予定でしたが、
以下の理由で延期となってしまいました。

  • 怪獣が登場しない
  • 子供には内容が難しすぎる

物語はこれまでのエピソードとは、
かなり違う雰囲気を持っているんですよ。

それに仕事と家庭の両立に疲れたサラリーマンが現実逃避を望むのは、
高度成長期だった当時の風潮にもそぐわなかったんでしょう。

そこで放送日が1967年の12月14日に変更されました。

一平も異次元列車の乗客に?

人間、生きていれば、
多かれ少なかれ嫌なことがあります。

家族とケンカしたとか、
上司や取引先に起こられたとか、
学校のテストでひどい点を取ったとか・・・

そういう時に限って、
悪いことが重なるものなんですよね。

心がSOSサインを発すると、
全部リセットして関係ない場所に行きたくなります。

夜討ち朝駆けの由利子は、
仕事のストレスが相当たまってたみたいで、
イケメンの万城目とデートしたくなりました。

でも、一平と3人で旅行する約束をしていたのに、
彼だけ仲間外れはひどいです。

いつもの由利子らしくありません。

置いてきぼりにされた一平は、
すっかりへそを曲げてしまったようで、
冒頭以外は出てきませんでした。

もしかしたら彼、
万城目と由利子の仕打ちにショックを受けて、
異次元列車に乗ってしまったのかも知れません。

仕事と家庭で苦悩する沢村は気の毒ですが、
一平へのフォローもほしかったです。

「理想の世界」に行きかけた一平を、
万城目と由利子が連れ戻す話だったら、
もっと面白くなったと思いますよ。

「理想の世界」とは何なのか

ウルトラQにはもうひとつ、
虚構のユートピアを描いた話があります。

ウルトラQ17話の「1/8計画」です。

この話では労働も税金もない、
夢のような「S13地区」が紹介されました。

移住希望者が殺到する「S13地区」は、
1/8に縮小された人々が住む箱庭都市でしたが、
現実世界から離れると困ったことになります。

死亡扱いになってしまうんですよ。

由利子は移住希望者と間違えられ、
「S13地区」の住人にされてしまいました。

彼女は万城目と一平に会うために、
必死で星川航空までたどりつきますが、
なんと事務所には遺影が飾られていたんです。

何の苦労もない「S13地区」の正体は、
とんでもないディストピアでした。

そこに一人の男がいた。
いつからだろうか?
彼はこの現実の世界から脱出したいと考えていた。
その日もSF小説愛好クラブという愚劣な集会に出て、
死ぬほど疲れていた。
それに、作家としての彼はスランプ状態にあったのは事実である。
彼自身、自分の書いている非現実への逃避をいつも夢見ていたのだ。
そしてその時、彼はこのエレベーターが、
「途方もなく下降していったらどうだろう」と考えた。
彼自身の小説では、そんなストーリーは何編かあった。
果てしなく下降していくエレベーターが到着したのは、
全くの別世界であるというように。

引用元:ウルトラQ28話(友野健二のセリフ)


友野健二がエレベーターでたどり着いた「理想の世界」も、
「S13地区」と同じくあやしい感じがします。

おそらく「あの世」なのではないでしょうか。

何故なら異次元列車はいちど降りると、
二度と乗ることができないからです。

「理想の世界」は近未来の雰囲気なので、
パラレルワールドに存在する地球にも思えますが、
異次元列車の乗客の表情を見ると、
「あの世」のほうがしっくりきますね。

何の悩みもない世界に行く、
ワクワク感がまったくなかったんですよ。

でも、現実逃避は悪いことじゃありません。

何か猛烈に嫌なことがあった時は、
自分の好きなことに全力投球すればいいんです。

趣味に没頭している時に乗る異次元列車は、
「あの世」へ向かう怖いものではなく、
楽しい時間を演出してくれるものですから。

乗り間違えないよう気をつけましょうね。

みなさん。
もしあなたに理解ある異性や、
温かいご家庭がおありでしたら、
夜の電車はくれぐれも気をつけてお乗り下さい。

引用元:ウルトラQ28話(エンディングナレーション)

ウルトラQ28話の基本情報

本放送日:1967(昭和42)年12月14日
制作順:4
脚本ナンバー:6
脚本担当:小山内美江子
登場怪獣、宇宙人:異次元列車
特技監督:川上景司
監督:円谷一
番組ナレーション:石坂浩二
視聴率:19.9%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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