妙香、岩石怪獣ゴルゴスのせいで、
富士山が噴火するらしいぞ。
それは困ったね・・・
万城目はウルトラマンに変身できないから、
誰かがやっつけてくれるといいんだけど。
富士山。 宝永年間の噴火を最後に、
250年以上も眠っている休火山であります。
250年、250年、250年・・・
ちょっと待って下さい。
数千年に及ぶ富士山の歴史から見れば、
250年ぐらいは、 ほんの少しの短い眠りなのではないでしょうか。
(ウルトラQ7話オープニングナレーション)
ウルトラQ7話のあらすじ
富士山噴火の可能性があるため、
一平と由利子は火山研究所の技官・早川を訪ねる。
早川は近隣の村に避難命令を出すべきと指示。
そこで巡査の横山が動いたが、誰も話を信用しなかった。
早川は樹海に住むタケルに危機を知らせようと考える。
さっそく一平と由利子を連れて彼の説得に向かうものの、
タケルは樹海を安住の地と決めていた。
そんななか、吉野のお池から大きな岩石が飛び出す。
方々に散らばった岩石の欠片は、集まって巨大な怪獣になった。
タケルは慣れ親しんだ樹海を守るため、岩石怪獣に挑んで行く。
おもな登場人物(敬称略)
万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。
戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。
江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。
ゲスト出演
タケル(高嶋英志郎)
15年前から富士の樹海に暮らす野生児。
タケルの姉(市川和子)
弟を心配して樹海近くのホテルに転職。
早川技官(本郷淳)
富士火山研究所の職員。由利子たちに火山活動について語る。
横山巡査(金井大)
人柄は良いが警官としては頼りない。
登場怪獣(岩石怪獣ゴルゴス)
ウルトラシリーズ初の岩石怪獣だ。
太古に地球に飛来した岩石が母体になっている。
ダイナマイトで爆破されても、
中心核が存在していると復活してしまうんだ
口からは高熱の蒸気を吐くぞ。
ウルトラQ7話「SOS富士山」の感想
冷たい噴火は本当にある
いろいろと不思議な話でした。
ウルトラQそのものの世界観が、
アンバランスゾーン(歪んだ日常)で出来ているので、
当たり前ではあるんですけどね。
この話を最初に観た時、
火山研究所の早川が有効な対策を打って、
噴火騒動が収束すると思っていました。
でも、彼は何もしてないんですよ。
それもそのはず、
今回の主人公は樹海に住むタケルですから。
万城目は5話でがんばりすぎたのか、
このところ活躍する機会がありません。
登場人物の足(移動手段)扱いになっているのが気の毒です。
ちなみに噴火騒動が起こったのは、
富士山麓一帯で急激な地熱上昇が起きたからでした。
これを引き起こした原因がゴルゴスだったんです。
タケルは勇敢に戦いを挑みました。
自分が暮らしている樹海を荒らされたくなかったんですよ。
「俺の縄張りに勝手に入ってくるな!」
れっきとした人間なんですが、
15年も社会から切り離されていたので、
動物的な勘で生きているんでしょうね。
タケルとゴルゴスの戦いは、
野生に生きる者同士の陣取りゲームだったんです。
ゴルゴスに押されていたタケルでしたが、
横山巡査から借りた拳銃で岩石の中心核を打ち抜きます。
タケルの勝利です!
ところが、噴火騒動はまだ解決しておらず、
富士山は冷たい溶岩を流し始めました。
由利子が「冷たい噴火だわ」と言ってましたが、
これがすごく怖かったです。
架空の現象かと思いきや、
実際に「冷たい噴火」はあるんですよ。
ウルトラQは細かいところまで科学的知見がしっかりしてますね。
円谷プロダクションを本気を感じます。
横山巡査は無能じゃない
あとサブキャラの横山巡査がいい味を出していました。
普段は頼りないお巡りさんなんですが、
ゴルゴスの進撃で負傷したタケルを助けています。
またタケルと洞窟に閉じ込められた時は、
「落ち着いて全部の持ち物を確認するんだ」と、
とても冷静に行動していました。
横山巡査の口癖は「私はダメなんだ」ですが、
そんなことはないです。
めっちゃ優秀だと思いましたよ。
やはり人間の真価というのは、
土壇場に立たされた時にわかるものですね。
ウルトラQ7話の基本情報
本放送日:1966(昭和41)年2月13日
制作順:27
脚本ナンバー:20
脚本担当:金城哲夫、千束北男(飯島敏弘)
音楽:宮内國郎
番組ナレーション:石坂浩二
登場怪獣、宇宙人:岩石怪獣ゴルゴス
特技監督:的場徹
監督:飯島敏弘
視聴率:32.5%
最後まで読んでくれて、ありがとな。
またのご訪問をお待ちしています。