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【ウルトラQ】8話「甘い蜜の恐怖」あらすじと感想。人間の闇落ちは怪獣より怖い

あんのん君

妙香、モングラーが現れたぞ。
ウルトラシリーズ初の地底怪獣だ。

岩松妙香

ごく普通のモグラが怪獣化したんだよね。
その原因は闇落ちした男のせいだった。
なんだか可哀想・・・

不気味な雷鳴とともに、
一人の男がアンバランスゾーンに落ちたのです。
これから30分。あなたの目はあなたの身体を離れて、
この不思議な時間の中に入って行くのです。

引用元:ウルトラQ8話(オープニングナレーション)
目次

ウルトラQ8話のあらすじ

万城目は一平にセスナの操縦方法を教えていた時、
貨物列車が脱線するのを目撃してしまう。
事故原因は地面の隆起だった。
数日後、万城目たちは一の谷博士の付き添いで、
富士山麓近くにある伊佐山農事試験場を訪問する。
そこでは蜜蜂から採れるハニーゼリオンを研究していた。
ハニーゼリオンはハチミツによく似た液体だったが、
生物を巨大化させる効能があった。
実は試験場ではおかしな事件が起こっていた。
何者かによって、蜜蜂を育てる温室が荒らされていたのだ。

おもな登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

一の谷博士(江川宇礼雄)
世界的権威の学者。万城目たちの良きアドバイザー。

ゲスト出演

木村重夫(黒部進)
伊佐山農事試験場の研究者。将来を期待されている。

伊丹一郎(岩下浩)
木村の同僚。木村に嫉妬している。

愛子(沢井桂子)
木村の婚約者。伊丹のことが嫌いらしい。

長谷川(清水元)
伊佐山農事試験場長。ハニーゼリオンの効能を万城目たちに説明する。

登場怪獣(モグラ怪獣モングラー)

身長:50メートル
重さ:2万トン
出身地:東京近郊・伊佐山

あんのん君

ウルトラシリーズ初の地底怪獣だ。
ごく普通のモグラがハニーゼリオンを食べて巨大化したぞ。
超高速で地底を掘り進むことができるが、
暗い土中にいるので太陽光線は苦手だ。
夜か悪天候の日しか現れない。

ウルトラQ8話「甘い蜜の恐怖」の感想

木村に嫉妬した伊丹

今回は怪獣ではなく、
闇落ちした人間の恐ろしさを描いた話でした。

仕事も順調でリア充な同僚を見れば、
誰だってうらやましくなります。

伊佐山農事試験場の木村は、
ハニーゼリオンの研究が認められて、
学会に論文を発表する予定になっていました。

木村の目覚ましい活躍は試験場長に認められ、
ひとり娘の愛子と婚約できたんですよ。

この2人はもともと相思相愛だったんですが、
愛子に横恋慕していた男がいました。

伊丹です。

愛子は伊丹に言い寄られるのが嫌なので、
ずっと塩対応を貫きました。

伊丹は木村の研究をぶち壊したいあまりに、
蜜蜂のいる温室を破壊してしまいます。

そこにモグラを放したことで、
本当に最悪の事態が起こりました。

伊丹はやり切れない感情を、
別のところにぶつけるべきでした。

気持ちはわかりますが、
やったことがやったことなので共感はできません。

木村と愛子を祝福できないなら、
とっとと別の職場に転職して、
何倍もすごい仕事をすればよかったんですよ。

悲しい気持ちをバネに成長するのは、
最高にカッコいいことじゃないですか。

いちばん可哀想だったのは何の罪もないモグラです。

伊丹に利用された挙句、
温室で培養されていたハニーゼリオンを食べて、
怪獣になってしまったんですから。

そもそもハニーゼリオンは、
どういう意図で研究されたんでしょうか?

試験場近くの村はモングラーが暴れたせいで、
大きな被害を受けてしまいました。

住民たちは研究のせいで生活がめちゃくちゃになったと、
木村や試験場長に怒りをぶつけます。

人間が勝手に生物を巨大化させることは、
自然の理に反する行いです。

たとえ言葉が話せなくても、生物には生物の意思があります。

研究者はそれを理解して、
真摯に仕事をしなければなりませんが、
試験場の考えは甘すぎますね。

名探偵由利子の推理?

伊丹の闇落ちは怖かったですが、
にわか探偵となった万城目たちは面白かったですよ。

3人は破壊された温室を調べに行きます。

入口を見た由利子は、
ガラスの破片が外側に散らばっているのを見て、
一瞬で「偽装工作」だと見抜きました。

内側からハンマーで割ったような痕跡があったからです。

そして宿直日誌で名前を見たことと、
事件の目撃者が現れたので、真犯人は伊丹だと確信したんです。

何も知らない伊丹は、
ハニーゼリオンを開発した木村をなじります。

研究がダメになって「ざまあみろ」と思っていたんでしょう。

愛子は伊丹の態度に腹を立て、
部屋を出て行ってしまいました。

木村は自分の研究のせいで皆に迷惑がかかったので、
論文を発表することをやめると言い出します。

一の谷博士は「諦めてはいかんぞ」と木村を励ましました。

伊丹はしてやったりという表情をしていましたが、
そこに万城目たちがやってきます。

「謎はすべて解けた!」というセリフはなかったですが、
流れは金田一少年の事件簿みたいでした。

でも、追いつめられた伊丹は暴走して、
モングラーと一緒に破滅することを選んでしまいました。

いったん選択を間違えると、
人は坂道を転がるように落ちて行くものです。

ライバルの活躍にこだわることなく、
自分の能力を信じて努力すれば、
こんなバカげた悲劇は起こりませんでした。

伊丹には怪事件に巻き込んだ人々はもちろん、
「モグラと蜜蜂に土下座して謝れ!」と言いたいですね。

小さな心の歪みが、
こういう事態を引き起こさないとも限らないのです。
何故ならアンバランスゾーンはあなたの身近に・・・
いや、あなた自身の心の中に存在するのです。

引用元:ウルトラQ8話(エンディングナレーション)

ウルトラQ8話の基本情報

本放送日:1966(昭和41)年2月20日
制作順:10
脚本ナンバー:10
脚本担当:金城哲夫
登場怪獣、宇宙人:モグラ怪獣モングラー
特技監督:川上景司
監督:梶田興治
番組ナレーション:石坂浩二
視聴率:38.5%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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