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【ウルトラQ】9話「クモ男爵」あらすじと感想。濃霧の中にあった洋館の秘密

あんのん君

妙香、夜中のドライブには注意しろよ。
万城目たちは濃霧のせいで古い洋館に立ち寄ったが、
中に大きなタランチュラがいたんだ。

岩松妙香

ホラーな展開ね。
でも、なんでそんな所にタランチュラがいたのかな?
何か秘密がありそう。

夜のクモは悪魔の使いとして恐れられています。
今夜は闇の中から突然姿を現し、人を襲うクモの物語です。

引用元:ウルトラQ9話(オープニングナレーション)
目次

ウルトラQ9話のあらすじ

あるホテルで優雅なガーデン・パーティが開かれた。
万城目は気の合う仲間たちと参加したが、
帰り道が濃霧になってしまった。
葉山は車内でサンドイッチを食べながら野宿を覚悟した。
一平は竹原と付近の様子を見に行くが、底なし沼にはまる。
万城目たちは必死で2人を助けたが、竹原は高熱を出していた。
前方に灯りが見えたので、一同は丸太橋を渡って進む。
やがて古びた洋館を見つけたが、妙な雰囲気が漂っていた。
室内のいたる所に、クモの糸が張りめぐらされていたのだ。

おもな登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

ゲスト出演

今日子(若林映子)
万城目たちの友人。熱を出した竹原を看病する。

竹原(鶴賀次郎)
万城目たちの友人。一平と底なし沼に落ちてしまう。

葉山(滝田裕介)
万城目たちの友人。古い洋館でオカリナを発見。

登場怪獣(大グモ・タランチュラ)

身長:2,5メートル
重さ:120キロ
出身地:東京近郊石崎岬

あんのん君

ウルトラシリーズ初の昆虫怪獣だ。
人間を襲う時に口から糸を吐くんだが、
何故か毒は使わない。
水面歩行が可能で活動範囲が広いヤツだ。
苦手なものは石崎岬にある灯台の光だぞ。

ウルトラQ9話「クモ男爵」の感想

万城目が語るタランチュラの伝説

物心ついた頃、この話を見てクモが苦手になりました。

芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」も、
ホラーだと思い込んで読めなかったほどです。

でも、動画配信で改めて観て、
物語の印象はガラッと変わりました。

タランチュラがすごく可哀想だったからです。

万城目はタランチュラの秘密を、
仮説を立てながら由利子に語りました。

かなり飛躍した話だったので、
由利子には信じてもらえませんでしたが、
まったくの嘘ではないと思います。

90年前、由緒ある貴族の男爵が、
洋館で結婚を控えた娘と暮らしていました。

男爵にはひとつの趣味がありました。

彼は三度の食事よりクモが好きで、
外国に旅行するたびに購入していたんです。

タランチュラはそのうちの1匹でした。

しかし、悲劇が起こります。
タランチュラが娘に咬みついてしまったんです。

毒におかされた娘は苦しんだ挙句、
精神のバランスを崩して、
底なし沼に身を投げてしまいました。

かわいい娘を亡くした男爵は、
絶望のあまりタランチュラを娘だと思い込みました。

そして、長い長い月日が流れ・・・

2人は人間としての身体を失い、
タランチュラとして生活するようになったんです。

タランチュラは宇宙生物なのか

人間がクモに変身するなどあり得ません。

タランチュラはただのクモではなく、
まったく未知の世界から来た生き物だと仮定すると、
この不可解な現象を理解できます。

タランチュラは咬んだ人間を仲間にするんです。

因みにウルトラセブン2話「緑の恐怖」では、
ワイアール星人が特殊な液体を人間にかけて、
自分の仲間をどんどん増やしていきました。

たぶんタランチュラは、宇宙生物ではないでしょうか。

ワイアール星人に襲われて生物Xになった人間は、
ウルトラセブンのおかげで元に戻りました。

でも、ウルトラQの世界に変身ヒーローはいないので、
タランチュラになった男爵と、
娘を助ける方法はありませんでした。

タランチュラは助けを求めていた?

彼らは「早く人間に戻りたい」と、
毎日、泣きながら神様に祈っていたでしょう。

2人は石崎岬にある灯台の光に悩まされます。

洋館が光に照らされることで、
自分たちの存在が知られるのが嫌だったんです。

誰にも迷惑をかけず、
ひっそりと暮らしたかっただけなんですよ。

だから灯台職員を襲いはしたものの、
毒を一切使いませんでした。

身体は失ってしまいましたが、
人の心はわずかに残っていたんです。

クモの糸をさかんに吐くのは、
言葉を話せない2人のコミュニケーションなんです。

万城目たちに悪意を持っていたのではなく、
助けてほしいと思っていたんでしょうね。

万城目の活躍は4話以来だった

なんだか、タランチュラに同情した文章になってしまいました。

見た目は確かに怖かったですが、
襲われた葉山や今日子は死んでないですからね。

そもそも万城目たちが近道をしなければ、
洋館には立ち寄らずに済みました。

ホテルでのガーデン・パーティなら、
そのまま泊まっても問題なかったですよ。

男女別々に部屋を取ればいいんです。

それとも予算の関係で、
ホテルに泊まることができなかったのかも知れません。

万城目は昭和のチャラ男ですが、
高級車の維持費は相当にかかっています。

星川航空の規模もそんなに大きくないので、
けっこう無理していますね。

経済的にたいへんなのに、
友だち全員を歓待するなんて、いい人じゃないですか。

万城目はナイフでタランチュラを仕留めました。

一平と由利子だけでなく、他の友だちが一緒だったので、
いつになく責任感に燃えていたようです。

彼のみごとな活躍は4話以来でした。

とはいえ、真夜中の帰路は本当に危ないので、
遠回りでも慣れた道を走ってほしかったです。

今だったら便利な道の駅があるので、
帰りが遅くなりそうな時は車中泊もできるんですけどね。

悪魔の使いとして恐れられている夜のクモにも、
人間が変身したという悲しい物語があります。
人を襲うのは人間に返りたい一心だったのかもしれません。
あなたの庭先で夜、クモに出会っても、
どうぞそっとしておいてください。

引用元:ウルトラQ9話(エンディングナレーション)

ウルトラQ9話の基本情報

本放送日:1966(昭和41)年2月27日
制作順:13
脚本ナンバー:13
脚本担当:金城哲夫
登場怪獣、宇宙人:大グモ・タランチュラ
特技監督:小泉一
監督:円谷一
番組ナレーション:石坂浩二
視聴率:32.4%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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