妙香、ウルトラマンの敵役といえば、
なんといってもバルタン星人だよな。
大きな両手のハサミと、
あの独特な笑い声は強烈だぜ。
バルタン星人は2話で、
ウルトラマンに負けたんだけど、
地球侵略を諦めていなかった。
今回はリベンジマッチというところだね。
おもな登場人物(敬称略)
ハヤタ・シン(黒部進)
事実上の副隊長。ベーターカプセルでウルトラマンに変身する。
ムラマツ・トシオ(小林昭二)
統率力バツグンの隊長。部下からはキャップと呼ばれる。
アラシ・ダイスケ(石井伊吉)
武闘派で射撃の名手。イデとは名コンビ。
イデ・ミツヒロ(二瓶正也)
ひょうきんなムードメーカー。気が弱いが頭はいい。
フジ・アキコ(桜井浩子)
おもに通信を担当している。ホシノ君の保護者的立場。
ホシノ・イサム(津沢彰秀)
科特隊によく来る小学生。事件解決の手助けをすることも。
岩本博士(平田昭彦)
科特隊の優秀なブレーン。御殿山にある科学センターの長。
ゲスト出演
毛利博士(池田忠夫)
宇宙ロケット「おおとり」の開発者。意気揚々と金星を目指すが・・・
登場怪獣(宇宙忍者バルタン星人)
かつてウルトラマンと戦って敗北したが、
懲りずに地球侵略を企てた。
荒涼としたR惑星を根城にしており、
毛利博士に乗り移って軍事行動を開始した。
光波バリアやスペルゲン反射板を持っていたが、
イデの開発したマルス133と、
ウルトラマンの八つ裂き光輪で撃破されたぞ。
ウルトラマン16話「科特隊宇宙へ」のあらすじ
毛利博士は宇宙に飛ぶ
金星探査ロケットの「おおとり」が、
打ち上げられることになりました。
搭乗するのは開発者の毛利博士です。
しかし「おおとり」は、
二段目のロケットの発火装置に不安があったので、
科特隊は万が一の事故に備えます。
大勢の取材陣が見届ける中、
「おおとり」の打ち上げは無事に成功し、
毛利博士は宇宙に旅立って行きました。
二段目のロケットにも異状はなかったので、
科特隊本部にいるムラマツたちは安心します。
ホシノ君は岩本博士を応援していた
すると突然、ホシノ君が泣きながらやってきました。
アラシはケンカに負けたのだと思い、
ホシノ君に声をかけましたが、ハヤタは原因を知っていました。
ホシノ君は岩本博士が開発した「フェニックス号」が、
毛利博士の「おおとり」に負けたのが悔しかったんです。
ムラマツはホシノ君に、
「岩本博士は万全なロケットを生み出すまで我慢している」といいます。
それを聞いたホシノ君は、
いつもの笑顔を取り戻すのでした。
生きていたバルタン星人
地球を離れた「おおとり」は順調に軌道に乗り、
金星を目指していました。
毛利博士は快適なロケットの中でくつろぎ、
スーツ姿でご馳走を食べる余裕を見せます。
しばらくすると、科特隊本部のモニター画面が乱れます。
アキコが妙な通信をキャッチしていたので、
イデは全宇宙語翻訳機を使うことにしました。
画面に映ったのは、
ウルトラマンに倒されたはずのバルタン星人でした。
生き残りがR惑星を拠点にして、
地球を乗っ取ろうとしているんです。
毛利博士の乗る「おおとり」は、
青く光る球体にドッキングされてしまいました。
そこで地球にSOS信号を送りました。
でも、27万メートル上空の宇宙まで救助に行けるのは、
岩本博士が作った「フェニックス号」しかありません。
「フェニックス号」には攻撃用の装備がまったくないので、
バルタン星人に襲われたらお終いです。
そこで岩本博士は、
ビートルにハイドロジェネレートロケットエンジンを取り付けて、
宇宙に飛ばすとムラマツに言いました。
ウルトラマン16話「科特隊宇宙へ」の感想
バルタン星人の二方面作戦
一度負けた相手と戦う時は、
前と同じ方法では絶対に勝てません。
バルタン星人はなかなか頭が回るので、
「二方面作戦」を使ってきました。
毛利博士に乗り移ったのは、
救助に来た科特隊を倒すためです。
そして別動隊を地球に送りこんで攻撃させました。
でも、そんな面倒なことをしないで、
普通にR惑星に住めばいいと思うんですよ。
地球はすでに人類の手で発展していますから、
バルタン星人が住みやすい環境に変えるには、
いろいろと手を加えなければなりません。
軍事行動のあとにそれでは、
めちゃくちゃ疲れるんじゃないですか?
その点、R惑星なら何もないので、
一から自分の思い通りの都市を作ることができます。
バルタン星人の地球へのこだわりは分かりますが、
ここは箱庭ゲームだと思って、
R惑星を終の棲家にしたほうが得策ですよ。
とはいえ、その諦めの悪さのおかげで、
ウルトラマンの八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)が見れたので、
とりあえず「ありがとう」と言っておきましょう。
シン・ウルトラマンでリピアが使った技です。
毛利博士はどうなったのか
バルタン星人の野望は、
ウルトラマンの活躍で阻止できましたが、
毛利博士のその後が気になります。
元に戻った描写がなかったので、
たぶん亡くなってしまったんでしょうね。
バルタン星人が乗り移ってから、
すごく極悪な人物になりましたが、
元々そういう人だったのではないかと思いました。
何故ならホシノ君は毛利博士ではなく、
岩本博士を応援していましたし、
宇宙船の中でご馳走を食べるんですから、
虚栄心が人一倍強いんでしょう。
ムラマツは毛利博士と岩本博士の違いを、
ホシノ君に語りました。
成功率99%のロケットに自分で乗りこんで、
宇宙へ飛び出した毛利博士と、
例え競争に負けたと言われても、
100%完全なロケットを作り出すまで、
じっと我慢している岩本博士と、
科学者としてはたして、
どちらが勇気のある正しい生き方だろうね。
毛利博士は岩本博士に負けたくないので、
完成度に不安のあるロケットで宇宙に行きましたが、
バルタン星人の手駒にされてしまいました。
宇宙人は人間の弱い心を利用するんです。
岩本博士のように万全を期していれば、
乗っ取りの悲劇は避けることができたでしょうね。
ウルトラマン16話の基本情報
本放送日:1966(昭和41)年10月30日
登場怪獣、宇宙人:宇宙忍者バルタン星人
制作順:17
脚本担当:千束北男(飯島敏弘)
音楽:宮内国郎
ナレーション:石坂浩二
特技監督:高野宏一
監督:飯島敏弘
視聴率:38.9%
最後まで読んでくれて、ありがとな。
またのご訪問をお待ちしています。