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【ウルトラQ】11話「バルンガ」あらすじと感想。エネルギーに依存する文明の弱点

あんのん君

妙香、バルンガが地球に侵入したぞ。
あいつはあらゆるエネルギーを食ってしまう。
社会への影響が心配だな。

岩松妙香

あらゆるエネルギーを食べるなんて、
本当に厄介な怪獣ね。
撃退するいい方法はないのかな・・・

着陸寸前の宇宙船を襲った原因不明の事故。
宇宙空間には無数の星間物質が漂っています。
大きさも大小さまざま。
だが、何故そこに風船が・・・?

引用元:ウルトラQ11話(オープニングナレーション)
目次

ウルトラQ11話のあらすじ

由利子はサタン1号が墜落した現場を取材していた。
彼女は万城目のセスナに乗っていたが、
燃料が空っぽになったので、星川航空に舞い戻ることになる。
万城目は一平がガソリン補給を忘れたと思ったが、
ラジエーターに風船のような生き物が取りついていた。
由利子はこの生き物を「風船虫」と呼んだ。
一平の話によると、燃料を食べた犯人は「風船虫」らしい。
3人は一の谷研究所に「風船虫」を届けようとするが、
途中で万城目の車の燃料がなくなった。
「風船虫」は瞬く間に大きくなり、東京の空を占拠してしまう。

おもな登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

関デスク(田島義文)
由利子の上司。仕事の鬼だが人情家。

ゲスト出演

奈良丸明彦(青野平義)
バルンガを研究する学者。独特な雰囲気を持つ人物。

サタン1号のパイロット(高橋征郎)
奈良丸の息子。地球に帰還寸前に事故に遭う。

登場怪獣(風船怪獣バルンガ)

身長:50メートル~無限大
重さ:不明
出身地:土星付近

あんのん君

サタン1号に付着していた宇宙生命体だ。
ロケット燃料を吸収してサタン1号を遭難させた。
万城目のセスナや自家用車にも取りつき、
さらには都内全部のエネルギーを奪って巨大化したんだ。
大型台風がやってきても吹き飛ばされなかったぞ。

ウルトラQ11話「バルンガ」の感想

ライフラインが使えない恐怖

”ウルトラQはSFホラー”

多くの人がそう思っていますが、
今までのエピソードは実際に起こる可能性が低いものでした。

私たちが生きる現実では、
青葉くるみやハニーゼリオンなんて薬品は存在しませんし、
道に迷ってタランチュラに遭遇することもありません。

私はバルンガによる危機が、
コロナ禍に酷似していると思いましたね。

コロナ感染防止ために人流抑制が優先され、
日本では緊急事態宣言が発令されましたが、
ロックダウンを行った国もあります。

また経済的なダメージによって、
ライフラインの支払いが困難になったケースもありました。

バルンガによる経済的損失は描かれませんでしたが、
数日間にわたって東京の活動が停止したんですから、
相当な被害だったと思われます。

医療体制もひっ迫したので、
病院ではトリアージが行われました。
これもコロナ禍と同じです。

一平は由利子を助けるために大ケガして、
病院で手術しなければなりませんでしたが、
電気が来ない状態でした。

1986年、ファーストフード大手のマクドナルドが、
ローマに店舗を構えたことでスローライフが提唱されました。

スローライフについては賛否両論ありますが、
バルンガの話は「利便さ」を追求する近代文明に対して、
一石を投じたものだと解釈します。

とはいえ、1960年代の日本は、
今よりも不自由なところがたくさんありました。
ネットもスマホもない時代ですからね。

もしバルンガが21世紀の日本に現れたら、
あらゆるエネルギーを吸って巨大化するでしょう。

そう思うと、背筋が寒くなってしまいました。

非常に怖い話でしたが、
関デスクが競合他社のことを、
気にしていたのは面白かったです。

他の新聞社がバルンガについて、
国際謀略説や宇宙人侵略説を唱えていたのに、
毎日新報は「正体不明の怪獣」と報道したからです。

でも、それが正解なんですけどね。

売り上げを伸ばすために事実を曲げるのは、
ジャーナリズムとして間違っていますから。

奈良丸博士が宗教家に見えた

奈良丸博士が宗教家に見えた

バルンガの存在は20年ほど前から知られていました。

奈良丸明彦という科学者が、
隕石に付着していた小さな宇宙胞子を研究して、
学会に発表しようとしていたんです。

しかし奈良丸博士は宇宙胞子の性質に危険を感じて、
それを処分してしまったので、
学会に論文を発表することはありませんでした。

彼はそのために「詐欺師」と呼ばれ、
学会からは距離を置くことになります。

そのことを知った万城目は、
奈良丸博士が復讐のためにバルンガを持ち込んだと考えますが、
まったく見当はずれでした。

バルンガによって遭難した「サタン1号」の操縦士は、
奈良丸博士の息子だったからです。

しかし、奈良丸博士には、
妙にあやしい雰囲気があったんですよ。

バルンガは怪物ではない。神の警告だ。
君は洪水に竹槍で向かうのかね。
バルンガは自然現象。 文明の天敵と言うべきか。
こんな静かな朝はまたとなかったじゃないか。
この都会も休息を欲している。
ぐっすり眠って反省すべきこともあろう。
どうやら台風が来るようだ。

引用元:ウルトラQ11話(奈良丸明彦のセリフ)

このセリフを聞いた時、
奈良丸博士は科学者をやめて、
宗教家に転職したと思いました。

確かにバルンガは文明の天敵ですが、
「神の警告」というのは科学者が言うべき言葉じゃありません。

東京に出現したバルンガは、
「サタン1号」に付着していた個体なので、
自然現象と言い切るには無理があります。

奈良丸博士はよほどバルンガにこだわりがあるのか、
こんなことも言っていました。

バルンガは太陽と一体になるのだよ。
バルンガが太陽を食うのか、太陽がバルンガを食うのか。

引用元:ウルトラQ11話(奈良丸明彦のセリフ)

バルンガが本当に必要とする食料は恒星エネルギーでした。
でも、太陽を吸い尽くすなんて不可能でしょう。

もしバルンガに太陽が消されてしまったら、
太陽系そのものが危機に瀕してしまいますからね・・・

明日の朝、晴れていたらまず空を見上げて下さい。
そこに輝いているのは太陽ではなく、
バルンガなのかも知れません。

引用元:ウルトラQ11話(エンディングナレーション)

ウルトラQ11話の基本情報

本放送日:1966(昭和41)年3月13日
制作順:16
脚本ナンバー:17
脚本担当:虎見邦男
登場怪獣、宇宙人:風船怪獣バルンガ
特技監督:川上景司
監督:野長瀬三摩地
番組ナレーション:石坂浩二
視聴率:36.8%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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