妙香、道端に落ちているお金は、
ちゃんと交番に届けろよ。
ネコババするとカネゴンに変身するからな。
そうだね・・・
カネゴンになるとお金を食べ続けることになるし、
街中では目立っちゃうから大変!
お金には執着しすぎないようにしよう。
ウルトラQ15話のあらすじ
加根田金男はお金が大好きな少年。
彼は仲間たちと空き地で遊ぶのが好きだった。
ある日のこと、金男は「振るとお金の音がする繭」を見つける。
中には30円くらいの小銭が入っているようだ。
好奇心旺盛な仲間たちはその繭を欲しがるが、
ひげおやじがブルトーザーでやってきたので、
それぞれの家に戻ることにした。
金男は両親から「お金に執着するとカネゴンになる」と言われるが、
聞いたふりして聞いていない。
だが、巨大化した繭に取り込まれた金男は変身してしまう。
おもな登場人物
加根田金男(辻沢敏)
お金が大好きな少年。カネゴンに変身してしまう。
アキラ(桜井俊道)
金男の友だち。
金男の父(浜田寅彦)
ごく普通のサラリーマン。
金男の母(野村昭子)
元気いっぱいの主婦。
中松工事監督(渡辺文雄)
通称はひげおやじ。
助手(二瓶正也)
中松の仕事を手伝う。
登場怪獣(コイン怪獣カネゴン)
ウルトラシリーズ初の人間が変身した怪獣だ。
金男が取り込まれた不思議な繭は、
宇宙人がお仕置きのためによこしたという説もあるぞ。
見た目がユーモラスで可愛いため、
半世紀以上経った今でも絶大な人気を誇っている。
ウルトラQ15話「カネゴンの繭」の感想
何故カネゴンは小銭を食べるのか
どことなく大人受けするウルトラQですが、
実は子供向けの特撮番組として制作された作品でした。
今回は万城目たち3人がお休みで、
お金が大好きな加根田金男が主人公になっています。
連ドラで主人公が不在なんて、 現代では考えられないことですが、
当時はそういう作り方ができたんですよ。
金男が変身したカネゴンの主食は小銭です。
お金が好きなら金額の多い札束のほうが、
お腹いっぱいになりますよね?
でも、昭和の時代、
お札は大人が持っていましたし、
子供向けのおやつとして「エースコイン」があったんですよ。
「エースコイン」は昭和30年に発売されているので、
カネゴンより歴史が古いんです。
怪獣が小銭を食べるというアイデアは、
この「エースコイン」が元ではないでしょうか。
カネゴンの繭は昭和のおとぎ話
金男はお金に執着していましたが、とても素直な少年です。
声もすごく可愛いんですよ。
カネゴンの見た目は「頭がお財布で身体が火星人」です。
だけど、人間に対してまったく悪意がありません。
町ではコスプレに間違えられたり、
子供たちには「玉乗りパフォーマンスをやれ」と言われますが、
それを嫌がってないんですよね。
繭の中には「本当のカネゴン」がいて、
地球上のお金を食べるために金男の身体を拝借したのでしょうか?
たぶん宇宙旅行の途中で空腹になったので、
金男がいる町にやってきたんですよ。
そんなカネゴンの食費は膨大です。
1日あたり3130円もかかるんです!
「なんだ、3130円か」と思うかも知れませんが、
1カ月分だと93900円です。
当時の労働者の初任給は、
男子が17550円で女子が16630円だったので、
カネゴンの1ヶ月の食費は約5カ月分のお給料に相当します。
めちゃくちゃ金食い虫です。
だから子供たちも面倒を見切れず、
いったんは諦めようとするんですが、
「巫女さんのお告げ」が大当たりして金男は人間に戻れました。
ところが、家に帰ると両親がカネゴンになっていたんです!
金男のお金好きは、
両親の性格を受け継いだものでした。
とはいえ、カネゴン2匹だと1ヶ月の食費が、
187800円になってしまうので、
金男のその後が心配になってしまいました。
いまと違って、
副業やクラファンがない時代ですからね。
この話は何気にお金との付き合い方を教えてくれています。
道にお金が落ちていると、
拾って自分のものにしたくなりますが、
ちゃんと交番に届けるのが社会のルールです。
またお金に執着しすぎると、
他のものが見えなくなってしまいます。
「カネゴンの繭」は、
昭和という良き時代に描かれたおとぎ話なんですね。
金男には経済学者を目指してほしい
さて、カネゴンにならないようにするには、
お金のことを勉強する必要があります。
日本では「お金は汚い」というイメージで解釈されており、
稼ぐという言葉にも拒否反応を示す人が多いですが、
そもそもお金がないと何もはじまりません。
だから小学校から金融教育をしっかりはじめて、
「お金とは何か」「経済とは何か」を理解させるべきですね。
お金の勉強は難しいことも多いですが、
学んでみるとけっこう面白いものなんですよ。
金男はカネゴンになったことに懲りて、
お金にこだわりすぎることはなくなったと思いますが、
これを機に経済学の道に進むといいでしょう。
有名な経済学者がカネゴンだったというオチは、
めちゃくちゃ面白いと思うので・・・
ウルトラQ15話の基本情報
本放送日:1966(昭和41)年4月10日
制作順:20
脚本ナンバー:21
脚本担当:山田正弘
音楽:宮内國郎
番組ナレーション:なし
登場怪獣、宇宙人:コイン怪獣カネゴン
特技監督:的場徹
監督:中川晴之助
視聴率:28.5%
最後まで読んでくれて、ありがとな。
またのご訪問をお待ちしています。