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【ウルトラQ】4話「マンモスフラワー」あらすじと感想。都心に咲いた災いの花

あんのん君

妙香、マンモスフラワーが開花したぞ。
都心に咲くとは迷惑なヤツだ。

岩松妙香

皇居のお堀にまで根っこを生やすなんて、
本当に困った古代植物ね。
でも、その環境でしか生きられなかったのかも・・

今、我々を取り巻く自然界の一部が、
不思議な身動きを始めようとしている。
そう、ここはすべてのバランスが崩れた恐るべき世界なのです。
これから30分。あなたの目はあなたの身体を離れて、
この不思議な時間の中に入っていくのです。


(ウルトラQ4話オープニングナレーション)

目次

ウルトラQ4話のあらすじ

都内で原因不明の地震が起きた。
パトロールしていた警官はその被害で亡くなってしまった。
万城目は取引先の東京広告社に立ち寄った際に、
皇居のお堀に妙な物体が浮いているという話を聞く。
一平、由利子と一緒にお堀を見に行くと、
お堀には木の根っこのようなものが浮かんでいた。
「根っこ」は何故か生き物のように動きまわった。
そして東京広告社にまで伸びてきて、従業員たちを次々に襲った。
謎の植物は丸の内で開花してしまう。
その花はマンモスフラワーと名付けられた。

おもな登場人物(敬称略)

万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。

戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。

江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。

一の谷博士(江川宇礼雄)
世界的権威の学者。万城目たちの良きアドバイザー。

ゲスト出演

源田博士(高田稔)
植物学者。ジュランの生態を調査しようとする。

道子(雨宮貞子)
一平の友人。倒壊するビルから助け出された。

登場怪獣(古代植物ジュラン)

身長:100メートル
体重:3千トン
出身地:東京丸の内

あんのん君

ウルトラシリーズ初の植物怪獣だ。
太古の植物だが自然界のバランスが崩れたせいで、
現代の東京に復活してしまった。
「根っこ」の直径は1メートル以上ある。
クモの糸によく似た花粉を撒き散らすんだ。
2022年公開の映画「シン・ウルトラマン」では、
巨大不明生物第2号として紹介されたぞ。

ウルトラQ4話「マンモスフラワー」の感想

東京は日本を象徴する街

東京は日本人にとって特別な街です。
江戸時代から続く日本の首都ですし、
国民の象徴的存在である天皇陛下が暮らす都です。

徳川家康が関ヶ原の戦いで勝利したあと、
ブレーンの天海(明智光秀という説があります)が、
中国の陰陽五行説をもとに都市設計を行ったんですよ。

それから300年以上、
東京は世界有数の大都会として著しい発展を遂げ、
地方に住む人々の憧れの対象となりました。

しかし、平穏な日々は、
謎の古代植物の出現で破られました。

「マンモスフラワー」ことジュランです。

花は無人島に咲けばよかった

35億年前の⇒シアノバクテリア(珪藻類の一種)は、
地球を酸素あふれる星に変えてくれたのに、
人間とジュランは共存することができません。

植物には意思がないと思っていませんか?

しかし、最近の研究では、
意思があると考えられています。

根っこなどを通じて、
仲間と会話するといわれているんですよ。

そんな頭の良い植物が人間に対して怒りを向けたら、
たいへんなことになりますね。

ジュランが何の害もない小さな鉢植えなら、
焼却処分されることはありませんでしたが、

かれはビジネス街のど真ん中に100メートルの花を咲かせて、
人々を養分にしようとしました。

だけど、生命はみんな必死なんですよ。

一の谷博士はジュランの生態について、
このように語っています。

約2000年前の蓮の種が発見され、
その種が美しい花を咲かせた例が我が国にもある。
古代の植物が突然変異によって、
蘇生したからといって不思議がることはないさ。
生命力というものはそれほど根強いものだよ。

異なる生物が意思の疎通を図るのは難しいですが、
もともとジュランに明確な悪意はなかったでしょう。

次の時代に命を繋ぎたかっただけなんです。

そういう視点で考えると、
東京という場違いな場所に咲いたばかりに、
焼却処分されたのは気の毒でした。

だから不思議な生態を研究しようと思った、
源田博士の気持ちも分かります。

誰もいない無人島でひっそり咲けば、
天然記念物として珍重されたでしょうね。

自然界のバランスが崩れた原因は、
急激なインフラ整備などによる環境破壊ですが、
東京ではよく光化学スモッグが発生します。

便利な暮らしも大事ですが、
自然界にもっと気を遣わないといけません。

万城目は星川航空の経営者?

この話の放送順は4番目でしたが、
最初に制作されたエピソードなので、
そのまま1話になっても、
良かったんじゃないでしょうか。

主人公がどういった人物なのか、
詳しく描かれていたからです。

万城目淳はこんな人
  • 年齢は20代後半~30代前半
  • スポーツカーに乗るキザな二枚目
  • SF小説や宇宙旅行に興味あり
  • 一平や由利子とは冗談を言い合う仲

現代のチャラ男に近い印象ですが、
万城目は怪事件が起こると真摯に向き合って行きます。

万城目は星川航空を宣伝するために、
東京広告社にビラ(チラシ)の印刷を依頼しますが、
担当者とタメ口で話していたのが気になりました。

ただの営業マンにしては腰が低くないですし、
高そうな背広を着ていたからです。

何度も広告を頼みに行って、
先方の担当と顔なじみになったのかも知れませんが、
安月給の社員がカッコいいスポーツカーに乗るのは、
どう考えても無理でしょう。

昭和41年の男子の平均月給は、
17.550円ですから。

因みにトヨタのカローラ(初代)もこの年に発売されましたが、
価格は43万円(お給料の2年分)でした。

でも、万城目が乗っていた、
「スカイライン スポーツ コンバーチブル」は、
約200万円もする高級車だったんです!

そんなゴージャスな車を乗り回すんですから、
万城目は星川航空の経営者で間違いありません。

社名(屋号)を「星川」と名付けたのは、
アマチュアSF小説家であり、
いつか宇宙へ旅立つことを夢見ているからでしょうね。

自然界の生命のバランスが崩れた時、
このような可憐な草花でさえ、
怪物化しないという保証は何もないのです。
アンバランス・ゾーンは私たちに、
そのことを警告しているのです。


(ウルトラQ4話エンディングナレーション)

ウルトラQ4話の基本情報

本放送日:1966(昭和41)年1月23日
制作順:1
脚本ナンバー:1
脚本担当:金城哲夫、梶田興治
音楽:宮内國郎
番組ナレーション:石坂浩二
登場怪獣、宇宙人:古代植物ジュラン(マンモスフラワー)
特技監督:川上景司
監督:梶田興治
視聴率:35.8%

あんのん君

最後まで読んでくれて、ありがとな。

岩松妙香

またのご訪問をお待ちしています。

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