ミケさん日本のおとぎ話は面白いね。
あたしは浦島太郎が好きだよ。
何気にSFになってるのがすごいと思う。



俺も浦島太郎は気に入ってるぞ。
誰でも一度は竜宮城に行きたいんじゃないか?
元の世界に戻った時がたいへんだが・・・
【ウルトラQ】#6「育てよ!カメ」のあらすじ
カメ好きの小学5年生・浦島太郎は教室にカメを連れてきていた。
彼はカメが99センチに成長したら、竜宮に行けると信じている。
だから熱心にエサを与えて、成長の記録を日記にしていた。
しかし授業中にお世話していたことがばれて、
カメを先生に没収されてしまった。
さらに太郎は罰として教室から追い出されてしまう。
太郎が屋上から街を見ていると、銀行を襲うギャングがいた。
警察に追われるギャングは太郎の学校に忍び込んだ。
そしてドサクサに紛れて、カメを盗み出してしまう。
太郎はカメを取り戻すため、必死でギャングを追いかけて行く。
おもな登場人物(敬称略)
万城目淳(佐原健二)
星川航空のパイロット。怪事件に真摯に向き合う好青年。
戸川一平(西條康彦)
万城目の後輩。おっちょこちょいだが、たまに鋭い勘を発揮。
江戸川由利子(桜井浩子)
毎日新報のカメラマン。怪獣を恐れずに写真を撮る。
ゲスト出演
浦島太郎(中村和夫)
カメが大好きな小学生。この話の実質的な主人公。
乙姫(立石愛子)
竜宮にいる謎の少女。太郎といたずら合戦をする。
ギャング(二瓶正也)
銀行を襲撃した男。下水道で太郎を見失った。
登場怪獣(ガメロン)
【ウルトラQ】#6「育てよ!カメ」の感想
今回はいつもの3人(万城目・一平・由利子)が脇役に徹しています。
主人公はカメが大好きな太郎です。
あの浦島太郎を小学生にした設定がいいですね。
しかも真面目な生徒ではなく、
「授業中に内職はする、両親や先生に嘘ばかりつく」という問題児です。
なんとかしないと将来が心配です。
原作の太郎は品行方正な青年でした。
でも、それだとウルトラQの世界に合わないんですよ。
『浦島太郎昭和バージョン』のコンセプトは、
不良少年になりかかっている太郎をカメが助ける物語だからです。
つまり原作とは逆なんです。
そんなわけで、
竜宮も従来のイメージとはまったく違いました。
鯛や平目の踊りや豪華なご馳走がありません。
浦島太郎は乙姫に懲らしめられた
何もない空間の真ん中で、 少女がブランコを漕いでいるだけです。
しかも少女は乙姫と名乗るではありませんか。
太郎は「ぶち壊しだ!頭にきた!」とブチ切れてしまいます。
乙姫は太郎にいたずらを仕掛けました。
負けず嫌いの太郎は応戦しますが、
乙姫は不思議な力で怪竜やロケットを召喚します。
もし太郎が勝っていたら、
竜宮の王になって乙姫を家来にしましたね。
勝利した乙姫は太郎に質問します。
ねえ、もう嘘は言わない?
引用元:ウルトラQ6話(乙姫のセリフ)
いたずら合戦は噓つき太郎を懲らしめるためだったんです。
太郎は「もう嘘は絶対に言わない」と約束したので、
玉手箱をもらって現実世界に戻りました。
しかし素直に「竜宮に行ってきた」と言ったのに、
大人はみんなバカにしたように笑うだけでした。
これは仕方がないですね。
子供は夢を見て生きることができますが、
現実に追われる大人は夢を見る余裕などないからです。
とはいえ、太郎は噓つきではなくなりました。
クラスの仲間たちは竜宮のことをわかってくれたんですよ。
竜宮は「現実逃避先の世界」ではなく、
『善と悪で葛藤していた太郎の精神世界』だったんでしょうね。
これだとウルトラQのコンセプトにピッタリです。
小学生の浦島太郎が噓つきだった理由
太郎はいつも嘘ばかりつくので、
周囲の大人たちから信用されていませんでした。
嘘ををつくのはいけないことです。
でも、子どもは寂しいと噓つきになってしまいます。
- 新しい兄弟ができてお母さんが構ってくれない
- 他の兄弟と平等に扱われていない
- お兄ちゃんだから我慢しなさいと言われる
- 両親が共働きである
太郎の家庭でもきっと、
こんな感じの出来事があったんじゃないでしょうか。
全部当てはまっていたら気の毒ですよね。
また、太郎はやたらと、
武器(マシンガン)に興味を持っていました。
単純にカッコいいからというだけでなく、
今の生活に不満を感じていたからです。
男の子には他の誰よりも強くなりたい」という願望があります。
もし令和に太郎がいたら、
ネトゲでもやってストレス解消できたでしょうが、
残念ながら56年前にはインターネットがありません。
可愛いカメのおかげで、
太郎は闇落ちしなかったんですよ。
本当の太郎は優しくて素直な少年です。
カメに精いっぱいの愛情を注いで育てていました。
手づくりした特製のエサを与えたり、
一緒にいたギャングにいじめられた時は、
「引っぱっちゃダメだよ」といって助け出しています。
カメは太郎にとって唯一の心の拠り所でした。
しかしラストが不思議だったんですよ。
太郎はカメに関心がなさそうな様子だったんです。
竜宮でカメが消えてしまったので、
「自分のせいでいなくなった」と思ったんでしょうか。
お世話していた生き物がいなくなった時、
飼い主はそういった後悔をしてしまいます。
でも「噓をつく」という悩みが解決されましたし、
クラスの仲間は太郎の話を信じてくれたので、
これからは楽しくやって行くことができますよ。
【ウルトラQ】#6「育てよ!カメ」の情報



最後まで読んでくれて、ありがとう。



またの来訪を待っているぞ。

