妙香、今回のエピソードは、
シン・ウルトラマンで大人気となった、
外星人0号メフィラスの元ネタだな。
うん、山本耕史さんが演じた外星人0号メフィラスは、
圧倒的な存在感だったよね。
このエピソードのメフィラス星人との違いを比べると、
いろいろ面白いかも知れない。
前回の感想はこちらです。
おもな登場人物(敬称略)
ハヤタ・シン(黒部進)
事実上の副隊長。ベーターカプセルでウルトラマンに変身する。
ムラマツ・トシオ(小林昭二)
統率力バツグンの隊長。部下からはキャップと呼ばれる。
アラシ・ダイスケ(石井伊吉)
武闘派で射撃の名手。イデとは名コンビ。
イデ・ミツヒロ(二瓶正也)
ひょうきんなムードメーカー。気が弱いが頭はいい。
フジ・アキコ(桜井浩子)
おもに通信を担当している。ホシノ君の保護者的立場。
ゲスト出演
フジ・サトル(川田勝明)
アキコの弟。メフィラス星人に脅されてしまう。
ヤマモト博士(伊藤久哉)
科特隊ブレーンの一人。ムラマツに的確な助言をする。
登場怪獣(悪質宇宙人メフィラス星人)
地球侵略を企てている宇宙人だ。
ネーミングは「ファウスト」に登場する悪魔、
メフィストフェレスからだと言われている。
IQ10000を超える頭脳を持ち、
地球人の少年とその姉を拉致して、
「この星をあげます」と言わせようとした。
暴力は嫌いと言いつつ、
思い通りにならないと激高したり、
科特隊の攻撃にはしっかり反撃していた。
戦闘能力も非常に高かったので、
ウルトラマンのライバルといえる存在だな。
ウルトラマン33話「禁じられた言葉」のあらすじ
出典:ウルトラマン33話
空飛ぶタンカーが出現
その日は航空記念日だったので、
大空でショーが行われていました。
ハヤタは2人の連れを伴って、
華麗なショーを楽しんでいたんです。
その連れとは同僚のアキコ、
そして彼女の弟のサトル君でした。
サトル君はポップコーンを頬張りながら、
カッコいい超音速旅客機に見とれています。
すると・・・
何処からか、知らない男の声が聞こえてきました。
男は「飛行機が空を飛ぶのは当たり前」というと、
大型タンカーを空に浮かべます。
さっきまで飛んでいた飛行機は、
次々と空に吸い込まれてしまいました。
重力の逆転現象
ハヤタたちは危険を感じたので、
慌てて車に乗り込みます。
「サトル君、私の力は大したもんだろう?」
男はそう言うと、
巨大タンカーを爆発させてしまいました。
ムラマツはハヤタに事態を調査するよう指示します。
科特隊ブレーンのヤマモト博士は、
ハヤタたちが目撃した現象について、
「特定の空間内で重力が逆に働いたのではないか」といいます。
さらに宇宙空間から、
ジェット機群らしい電波をキャッチしたので、
アラシとイデは宇宙に向かいました。
ハヤタたちは宇宙に飛ばされた?
大気圏外にはバラバラに分解された、
飛行機の破片が漂っていました。
その中には科特隊の専用車もあったんです。
ムラマツはハヤタたちに呼びかけますが、
いっこうに返事がありません。
アラシとイデは行方不明になった3人を探しますが、
見つけることはできませんでした。
うなだれて科特隊本部に戻ると、一本の電話がかかってきます。
それは丸の内のビル街で、
アキコが見つかったという知らせでした。
巨大アキコとメフィラスの恫喝
ムラマツはアラシとイデ、
そしてヤマモト博士を連れて丸の内に行きました。
しかし、そこにいたのは、
いつもとは全く違うアキコでした。
アキコはどういうわけか、
身長40メートルの巨人になっていたんです。
イデは発泡しようとする警備隊を止めました。
科特隊の面々はビルの屋上に行き、
巨人となったアキコに声をかけます。
しかし、アキコは返事をしません。
何者かによって言葉も記憶も消去され、
ロボットのように操られているんです。
サトル君は奇妙な場所にいました。
彼の前にはメフィラス星人が現れ、
穏便な口調で脅しをかけます。
「この私にたった一言、
地球をあなたにあげましょうと言ってくれないか?」
サトル君は「絶対にヤダ!」と抵抗したので、
無重力室に幽閉されてしまうのでした。
ウルトラマン33話「禁じられた言葉」の感想
出典:ウルトラマン33話
原典とシン・ウルトラマンとの違い
メフィラス星人はヴィランですが、
ポリシーのある魅力的な宇宙人ですよね。
暴力を振るうのではなく、
言葉で子供を籠絡するとは本当に狡猾です。
とはいえ、子供を手なずけたいのなら、
サトル君の好きなものを用意しないとダメです。
その子の性格にもよりますが、
お菓子やおもちゃを与えられたら、
「この宇宙人のおじさんはいい人だ!」と思って、
言うことを聞いてしまうかも知れません。
サトル君は科特隊員であるアキコの弟なので、
正義感が人一倍強かったんでしょう。
あと、シン・ウルトラマンとの違いが、
発見できたのが良かったです。
ウルトラマン、
引用元:ウルトラマン33話(メフィラス星人のセリフ)
貴様は宇宙人なのか、人間なのか?
この問いに対してハヤタはこう答えました。
両方さ。
引用元:ウルトラマン33話(ハヤタ・シンのセリフ)
貴様のような宇宙の掟を破るヤツと、
闘うために生まれてきたのだ。
このやり取り、シン・ウルトラマンでは、
浅見弘子と神永新二に置き換えられていましたね。
山本耕史さんが演じた外星人第0号メフィラスには、
激情に駆られるシーンはありませんでしたが、
このエピソードのメフィラス星人は、
思い通りにならないと怒りだしていました。
この性格の違いも面白かったです。
初代ウルトラマンのメフィラス星人には、
「私の好きな言葉です」という決め台詞はありません。
ただ、一般的にメフィラスといえば、
外星人0号メフィラスなので、記事のタイトルを工夫してみました。
因みにメフィラス星人の声を担当したのは、
声優の加藤精三さんですが、
彼は巨人の星の星一徹役で有名なんですよ。
2月26日は金城哲夫さんの御命日です
この素晴らしいエピソードを書かれたのは、
ウルトラシリーズの生みの親の一人である金城哲夫さんです。
今日は奇しくも金城哲夫さんの御命日でした。
金城哲夫さんが手がけた他のウルトラ作品については、
リンク先の記事に詳しく書いたので、
興味のある方は読んでみてください。
ウルトラシリーズは誕生から半世紀以上経った今も、
多くの人に愛されています。
いまウルトラマンデッカーの劇場版が、
たいへん評判になっています。
デッカーやアスミ・カナタが活躍しているのも、
金城哲夫さんをはじめとする先輩方が、
ウルトラマンを世に送り出してくれたからです。
まさに「ウルトラの父」ですよね。
昨年、私はシン・ウルトラマンを3回観ましたが、
エンディングで流れる「М八七」を聴くたびに、
頭の中で金城哲夫さんのことをイメージしていました。
何故なら歌詞にこうあったからです。
君は風に吹かれて 翻る帽子見上げ
引用元:米津玄師の歌「M八七」
長く短い旅をゆく 遠い日の面影
実は、金城哲夫さんのトレードマークは、
帽子だったんですよ。
また「М八七」の公式MVのエンディング部分は、
金色の光で溢れています。
米津玄師さんは、
シン・ウルトラマン主題歌のオファーを受けた時、
金城哲夫さんをイメージしたのかも知れません。
本日は金城哲夫さんの御命日ですし、
メフィラス星人でシン・ウルトラマンを思い出したので、
大好きな「М八七」の動画を貼ってみました。
ウルトラマン33話の基本情報
本放送日:1967(昭和42)年2月26日
登場怪獣、宇宙人:悪質宇宙人メフィラス星人、巨大フジ隊員、ほか
制作順:33
脚本担当:金城哲夫
音楽:宮内國郎
ナレーション:浦野光
特技監督:高野宏一
監督:鈴木俊継
視聴率:40.7%
最後まで読んでくれて、ありがとな。
またのご訪問をお待ちしています。