【アーク】#22「白い仮面の男」感想。楽園という名の底知れぬ恐怖

ウルトラマンアークのオリジナルアイキャッチ画像
ミケさん

ウルトラマンの敵は怪獣だけじゃないよ。
意外な侵略者が人々を襲うこともあるんだ。

あんのん君

これまでにもたくさんの宇宙人が、
地球侵略を企んできたからな。
だが、今回の敵は俺たちの常識を覆すような、
とんでもない存在みたいだ。

目次

【アーク】#22「白い仮面の男」のあらすじ

ある日のこと。
ユウマは靴を蹴飛ばして「お天気占い」をしていた。
リンはSKIPの社用車を洗っていた。
事務所ではヒロシが爪を切り、
石堂がいつものようにコーヒーを飲んでいた。
リンは公用車についていたキズが、
いつの間にか消えていたという。
それは先日起こった怪獣災害の時のことで、
石堂が腕を負傷した原因だった。
しかし何故か、それがいつだったのかは思い出せない。
さらにこの頃は怪獣災害も全然なかった。
ヒロシは「このままではSKIPは解散だ」といい、
定年後には喫茶店を開業したいと言い出す。
そんななか、ユウマのお気に入りの傘がなくなった。
ユウマは懇意にしている雑貨店の女性に、
傘を売っているかと聞いたが、彼女は困惑してしまう。

SKIPのメンバー(敬称略)

飛世ユウマ(戸塚有輝)
主人公。SKIPの新人調査員で怪獣生物学が専門。

石堂シュウ(金田昇)
地球防衛隊宇宙科学局から派遣。宇宙生物学と物理学に詳しい。

夏目リン(水谷果穂)
天才プログラマーで機械工学担当。ユウマのお姉さん的存在。

伴ヒロシ(西興一郎)
SKIP星元市分所の所長。恐竜が好きで地質学の道に進んだ。

ユピー(CV:広瀬裕也)
リンが開発したAIロボット。分離して行動できる。

登場怪獣(白い仮面の男・柱)

別名:楽園夢想人
身長:175センチ
体重:65キロ
出身地:不明
スーツアクター:岡部暁
CV:津嘉山正種

別名:楽園夢想遺構
身長:40メートル
体重:8万4千トン
出身地:古代の地球
スーツアクター:なし

【アーク】#22「白い仮面の男」の感想

この話、オープニング曲が流れなければ、
「ウルトラマンアーク」ではなく、
違う番組だと思った人が多かったでしょうね。

セピア色の世界の中で淡々と進むストーリーは、
不気味な恐ろしさを含んでいましたが、
同時にとても懐かしいものでした。

何故なら、1966年に放送された「ウルトラQ」に、
驚くほど似ていたからなんです。

白い仮面の男が「楽園」を求める様は、
「ウルトラQ」の最終回「あけてくれ!」に出てきた、
SF小説家・友野にソックリでした。

彼らが探していたのは、
心を煩わせる「憂い」のない世界で、
友野は無限に下がるエレベーターを使い、
白い仮面の男は柱でそこに行こうとしました。

でも、失敗したんですよね。

だって、アークの想像力の豊かさに比べれば、
あまりにも貧相で救いのないことですから。

古くからのことわざでは、
「憂いあれば喜びあり」といいますが、
様々な喜怒哀楽があるからこそ、
世界は面白いものなんです。

ちなに、この話は「ウルトラセブン」43話の、
「第四惑星の悪夢」のオマージュでもありまして、
実相寺テイストを思わせるシーンが、
いくつも散りばめられています。

昭和の名作同士のケミストリーとは、
オールドファンにとって嬉しい限りです。

これをキッカケに若い視聴者が、
「ウルトラQ」や「ウルトラセブン」にも、
興味を持ってくれると嬉しいですね。

完璧な理想などあり得ない

闇落ちしたキャラの考えることは、
理由がどうであっても、だいたい同じものです。

自分のいる世界や人間を「汚い」と思うことなんですよ。

ウルトラマンデッカーのバズド星人アガムスは、
最愛の妻・レリアを殺害されたため、
世界を強く憎むようになりました。

白い仮面の男は見た目こそ違いますが、
思考回路は彼にソックリです。

人間の「マイナスエネルギー」というのは困ったもので、
付き合い方を間違えると、視界を激しく曇らせてしまいます。

つまり、世界が綺麗か汚いかを決めるのは、
見る人自身の心なんです。

白い仮面の男が絶望した理由は不明ですが、
名前も顔も捨てたくらいですから、
よほどの出来事があったんでしょう。

しかし、完璧な理想の世界なんて、
残念ながら、どこにも存在しないんです。

人間は愚かで儚い生物なので、
そういった虚構を本当にあると思い込みます。

ある意味「救いを求めること」ではあるんですが、
白い仮面の男のやり方は間違ってますし、
あまりに恐ろしいものでした。

飛世ユウマくん。
君の足元に何かあるかわかるか?
その下には川が流れている。
いや、流れていたというべきか。
川の上にコンクリートで蓋をした、
いわゆる暗渠(あんきょ)だよ。
川の存在を知る者は、もうほとんどいないがね。
そして、いずれ人々の記憶から完全に忘れ去られた時、
川そのものも消滅する。
丁度、雨が消えつつあるようにね。

引用元:ウルトラマンアーク22話(白い仮面の男のセリフ)

生きてきた記憶を消去するというのは、
死ぬことに等しいですから。

そうしたことで創られる「楽園」なんて、
地獄(ディストピア)じゃないですか。

「本当の楽園」というのは、
人それぞれの個性が光り輝き、
みんなが笑顔で暮らせる世界です。

自身の内にある闇に負けなければ、
きっと「本当の楽園」が見えるようになりますよ。

【アーク】#22「白い仮面の男」の情報

本放送日:2024(令和6)年12月14日
脚本担当:本田雅也
オープニングテーマ「arc jump’n to the sky」access
エンディングテーマ「ミチカケ」ARCANA PROJECT
音楽:林ゆうき
監督:越知靖

ミケさん

最後まで読んでくれて、ありがとう。

あんのん君

またの来訪を待っているぞ。

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