【ウルトラマン】#37「小さな英雄」感想。ウルトラシリーズ最大のテーマを問う話

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ミケさん

初代マンもいよいよクライマックスだね。
通しで出てくるヴィランはいないけど、
今度の敵は大規模な侵略をするらしいよ。

あんのん君

科特隊にとってはたいへんなピンチだな。
だが、そんな状況なのにイデの様子が変なんだ。
いったい何があったんだろう?

目次

おもな登場人物(敬称略)

ハヤタ・シン(黒部進)
事実上の副隊長。ベーターカプセルでウルトラマンに変身する。

ムラマツ・トシオ(小林昭二)
統率力バツグンの隊長。部下からはキャップと呼ばれる。

アラシ・ダイスケ(石井伊吉)
武闘派で射撃の名手。イデとは名コンビ。

イデ・ミツヒロ(二瓶正也)
ひょうきんなムードメーカー。気が弱いが頭はいい。

フジ・アキコ(桜井浩子)
おもに通信を担当している。ホシノ君の保護者的立場。

ゲスト出演

権田博士(浅野進治郎)
言語学者。ピグモンの言葉を解析する。

登場怪獣(ジェロニモン、再生ピグモン、再生ドラコ)

別名:怪獣酋長
身長:40メートル
体重:3万トン
出身地:大岩山
スーツアクター:荒垣輝雄

別名:友好珍獣
身長:1メートル
体重:10キロ
出身地:大岩山
CV:江戸家猫八
スーツアクター:小宅雅裕

別名:彗星怪獣
身長:45メートル
体重:2万トン
出身地:大岩山
スーツアクター:松島映一

【ウルトラマン】#37「小さな英雄」のあらすじ

ある日のこと。

銀座にあるデパートにピグモンが現れ、
店員や客たちが大騒ぎになりました。

客からのお願いを受けた警官は、
さっそく科特隊に連絡します。

ムラマツたちが現場に駆けつけると、
ピグモンは疲れて眠っていました。

しばらくするとピグモンは目を覚ましましたが、
慌てたように鳴き続けます。

アキコは多々良島で、
ピグモンに会った時のことを思い出し、
懐かしそうに近寄りました。

人間に友好的なピグモンは、
科特隊本部で保護されることになり、
店員や客はひと安心します。

怪獣の言葉を訳せるか

ハヤタはピグモンが、
何かを言おうとしてると思いました。

それを聞いたアラシは、
東西大学でイルカの言葉を研究している、
権田博士に協力してもらうことを提案します。

科特隊の要請を受けた権田博士は、
さっそく仕事に取りかかり、
ピグモンの鳴き声の波長を解析しました。

しかし、言葉であることは分かったんですが、
怪獣語の翻訳は想像以上に難しく、
権田博士は苦戦してしまいます。

イデのやる気がなくなった

アラシはイデに対して怒っていました。

それは3日前に頼んだ武器の修理を、
イデがまだしてなかったからです。

アキコはイデをかばいました。

なぜならイデは怪獣語翻訳機の開発で、
連日のように徹夜だったからでした。

イデは元気ない様子で、
「すぐに修理するよ」といいますが、
アラシの怒りは収まりません。

そこにムラマツとハヤタがやってきました。

2人は権田博士のおかげで、
ピグモンの言葉がわかりそうだと言います。

ハヤタはイデに、
「怪獣語翻訳機は完成したろうな?」と尋ねました。

イデは「それがまだなんだ」と答えます。

ムラマツはイデの仕事の遅さに、
違和感を覚えました。

科特隊の存在意義とは

イデは研究室にある椅子に、
元気なさそうに座っています。

そこにハヤタがコーヒーを差し入れにきました。

イデは彼の心遣いが嬉しかったのか、
急に自分の悩みを語りはじめます。

それは『科特隊の存在意義について』でした。

科特隊がどんなにがんばっても、
結局、敵を倒すのはウルトラマンです。

せっかく新兵器を開発しても、
役に立ったことはあまりなく、
『ウルトラマンがいれば科特隊は必要ないのではないか』と、
イデは仕事に対する疑問を口にしました。

ハヤタは新兵器が戦いの役にたったことと、
ウルトラマンが科特隊に助けられたことを語り、
双方の関係は持ちつ持たれつだといいます。

しかしイデは納得しません。

そんななか、権田博士のもとにいたピグモンが、
激しく騒ぎはじめました。

ピグモンは怪獣たちが動き出したのを、
察知していたんです。

翌日、権田博士はピグモンを連れて、
科特隊本部を訪問しました。

そして、録音したピグモンの鳴き声を翻訳すると、
恐るべき情報が明らかになったのでした。

【ウルトラマン】#37「小さな英雄」の感想

さすがは金城哲夫さん、
シリーズの根幹をなすテーマを、
視聴者に対して投げかけてきましたね。

ウルトラマンというヒーローがいれば、
防衛チームは必要ないのか?

答えはNOです。

地球の平和は本来、
地球人の手で守るべきものだからです。

ウルトラマンはもともと、
地球とはまったく縁のない宇宙人でしたが、
凶悪なベムラーを追ってきた時に、
人身事故でハヤタを死なせてしまいました。

ハヤタが科特隊に属していたことと、
彼への贖罪の意味もあって、
一体化して戦っていたんですよ。

ウルトラマンと防衛チームとの関係は、
後続のシリーズでも時々語られますが、
記憶に新しいのは、昨年放送されたデッカーですね。

GUTS-SELECTのムラホシ隊長は、
ウルトラマンについてこう語っています。

前に向かって進むことはいいことです。
でもそのためにも、足元をしっかりしておかないと。
都合よく私達を助けてくれる存在が、
また現れてくれるとも限らないですし。

引用元:ウルトラマンデッカー1話(ムラホシ・タイジのセリフ)

デッカーの世界線では闇の巨人たちもいたので、
ウルトラマンを警戒するのは仕方がなかったんですよ。

ウルトラマンと防衛隊はどちらも必要

確かにウルトラマンに頼りすぎて、
防衛チームが貧弱になってしまうのは本末転倒です。

何らかのアクシデントで、
ウルトラマンが戦闘不能になった時、
防衛隊が活躍しないと地球を守ることができません。

ハヤタはウルトラマンと科特隊の関係について、
「持ちつ持たれつ」だと言いましたが、
お互いが連携することによって、
大きな結果を出すことができるんです。

この最大のテーマは、
最終回で明確な答えが出されますよ。

さて、60匹の怪獣で侵略を企てたジェロニモンですが、
ピグモンを復活させたことが命取りでしたね。

それにテレスドンとドラコを強化したものの、
2匹は戦闘をはじめてしまったので、
いくら数を集めても烏合の衆です。

悲しいかな、怪獣はやはり怪獣なんですよ。

ウルトラマンが悩んでいたイデに、
花を持たせた戦闘シーンはすごく良かったです。

イデは科特隊の存在意義というより、
自分が戦う意味を探していたんでしょうね。

ヒーローと防衛隊は、
太陽と月のような関係だと思います。

地球にとって、どちらも欠かせない存在ですから。

【ウルトラマン】#37「小さな英雄」の情報

本放送日:1967(昭和42)年3月26日
制作順:37
脚本担当:金城哲夫
音楽:宮内國郎
ナレーション:浦野光
特技監督:有川貞昌
監督:満田かずほ
視聴率:42.8%

ミケさん

最後まで読んでくれて、ありがとう。

あんのん君

またの来訪を待っているぞ。

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